シンセ音作り晒し1回目-実際に簡単な曲を作りながら音作りを解説

ご挨拶

シンセリード

こんばんちは(。・ω・)ノ

シンセの音作りに使える知識というか、吾輩の引き出し的なものを過去にさらしてまいりました。
今後も数回書かせていただきまする。

歌う猫
歩く猫
ハープとぬこ
ノイズ
ぬこ、ピアノを弾く

マニュアルとしてのパラメーター解説はこちら↓
シンセの仕組みや基本的な使い方がサッパリな方はこちらをご覧になった方が捗るかもしれません。

音の波形
synth1

なんですけど、やっちまいました
まさしく痛恨のミスであります。
以前の記事で8小節×2の短い曲を作って載せました。

これです。

音圧が高いので再生する場合は音量にご注意ください

これを元にして、音作りの細かいところなんかを解説していこうと思っておったのですが、これのFLの曲データを空データで上書きしてしまうという空前のヴォケをカマしてしまいまして、現在ツッコミ待ちであります。

まあ、ツッこんでくれる人がいないので待てど暮らせどなんですけど。
皆様もファイルのバックアップはちゃんと取ることを推奨いたしますぞよ。

んで、悲嘆にくれててもしょーがないので、いっそ新たに作りながら記事を書いてしまおうと思ったんですな。

上の音源みたいに短めでちょっとゴチャゴチャした感じで作り直して、トラックを追加する度にシンセいじりに関わるお話を挟んでいこうってわけでございます。

シンセの構造をざっと理解できた初心者の方が、実践的な音作りの一例として参考に出来るような内容になれば良いかと思っております。

それではよろしくお願いいたします。

制作の条件などの準備

シンセのお話を進めていく前に、今回の記事ではどーいう条件で作っていくのかってのを決めますかね。

制作の方針

ざっと思案したところ…

  • 使用DAWはFLStudio
  • Cメジャースケールで楽に行く
  • BPMは速過ぎず、140くらいで行きましょうかね
  • あんまり難しいコードは使わない
  • シンセのお話がしたいのでシンセトラックをメインに
  • シンセのお話がしたいのでMIXとかはテキトーに
  • シンプルでいて実践的なお話が出来るように心掛けること
  • プラグインは当ブログ内で紹介したものと、FL標準のものだけを使う
  • コード進行から作曲していく、いわゆる「和先」で作っていく

こんなところでありましょうか。
今回はFLでやりますけど、Synth1を使うのでDAWが何でも大丈夫かと。

シリーズの最後にはflpも落とせるように置いとこうと思います。

ほいじゃあ、コード進行にまいりませう(´V`)♪

使うコード進行はどうしましょ?

定番の奴でいきましょうか。

F>G>E>A,F>G>A>Eってやつです。
ナヌ?コードネームを書かれてもピンとこない?
音で聴いてみましょう。

コード進行 F>G>E>A,F>G>A>E

大抵の人が「聴いたことがある」って言う進行なんじゃないですかねこれ。

吾輩は某音ゲーをやっていますと、しょっちゅうこのコード進行を聴きますよ。

コード作曲のうんちく
本筋のシンセの話からちょっとだけ外れますけど、王道進行や、よく耳にする機会の多い進行は、それだけ優秀だから多用されていると言えます。夢の無い言い方になるかもしれませんが、あなたが「神曲!」って思ってる曲はメロが良かったり編曲がってことよりも、コード進行が神ってるだけな場合が多いかもしれません。そういう時は、その神曲のコード進行を頂いてしまいましょう。コード進行には著作権が無いので使い放題なのであります。
コード打ち込み
コードを鳴らすトラックを作成

シンセを1つ立ち上げて、コードを鳴らす用のトラックを作りました。
さっきの音源はこれです。

音色は、4ユニゾンのノコギリ波をデチューンしたものです。
ピアノあたりを適当に立ち上げてもいいんですけど、個人的にはこのデチューンノコギリをコード鳴らしに使うとピアノよりも不協和な音を発見しやすいというメリットがありまして、よくこの音を使うんでありますな。

さて、コード進行も決まったことですし、実際に制作を始めていきます。

試しにシンセリードから

8小節5分で出来ました。
個人記録更新であります.ヽ(^Д^*)/. ゜

シンセリード未加工状態

まあ、締め切りに追われるプロの人ならともかく、早く出来りゃ偉いってわけでもないんですけどね。

さて、上の音源をお聴きの通り、素のノコギリ波を垂れ流し状態で鳴らしておりますが、ここからリードとして、より使える感じの音にするために、ちょっとシンセをいじっていきたいと思います。

プリセットを使うのも良いのですが、吾輩はこうやってどんな音にしてやるかを考えるのが面白くって好きなんであります。
それが結局プリセットと変わらないとしても。

シンプルなリードの例

リードのパラメーター
今回のリードのパラメーター
シンプルなリードで鳴らした場合

とりあえずこんな感じになりましたが、吾輩が何を考えてこの設定にしたのかを、ちょいと解説をしたいと思います。

オシレーターはどうしたのか?

まず、倍音強めのキラキラ感がある音にしようと思ったので、オシレーターは1と2共にノコギリ波を採用しています。

これがもっと笛っぽい感じとか、チップチューン風(ファミコン風?)な音源にしたい時は、サイン波とか四角波の方が向いておりますな。

どんな感じの音が作りたいかっていう、大雑把な音の性格を決めてやると、使うべき波形が自然と分かります

リードはその役割から、曲中でもメインのメロディとしての趣が強く、目立つ音色の方が都合がいいことが多いですね。

まあ、場合によりけりです。

ユーロビートの音作りにも通じるピッチ操作

オシレーター2はpitchで1オクターブ上げて、m.env(モジュレーションエンベロープ)ではアタック時のピッチが一瞬だけ上がってすぐに下がるようにしてあります。

今回の例では上げ幅を控えめにしているので、注意深く聴かないと分からないかもしれませんが、コレの上げ幅をもう少し上げてやると、ユーロビート特有のアタック感のあるリードを作ることもできます。

あと、1オクターブ上のオシレーター2がメインになると、トラック全体が高い感がありますので、mixでオシレーター1が優勢になるようにしています。

なので余計にオシレーター2が目立たなくなっているんですけど、それでもアタック感を出す隠し味としては機能してくれています。

もしトラックが増えてきてから気が変わったら、後から多少いじってもいいわけですからね。

ディレイはちょいズレで響いてる感を出す

今回はSynth1搭載のディレイを使っています。

単純なディレイエフェクトですが、ちょっとした響きを出したい時には十分効果的でありますな。

ディレイのtimeを(8)+(16)に設定してあります。

ディレイは小節や拍にピッタリ合わせるより、こんな感じで若干ズラしてやることで、響いている感じを演出しやすくなるんであります。

トラックのクォリティ上げ・「音を着せる」という考え方

着せる音のパラメーター
リード用のシンセを追加立ち上げ
リードに着せる用の音色

これは吾輩が勝手に使ってる表現なんですが、「音に音を着せる」というのがあります。

昔読んだ話ですが、作曲家のkors kさんは複数のスネアの音を集めて、それぞれのスネアのおいしいところだけを使って、1つのスネアを作ったりするそうです。

まあ、これは例えばの話でスネアに限った話ではないでしょうけど、とにかく、トラックを重ねるのは音色の存在感ですとか、クオリティを高めるのに有効なのは多くの場面で言えることなんですな。

着せる音は着せる音としての役割がある

上のパラメーター画像と音源は、あくまでメインとして使うリードのフォローとして使うわけですから、その役割にふさわしい音作りを意識していきまする。

まず当然ながら、メインとして使うリードの音を食ってしまうような音作りはしないようにしますよね。

メインのリードにはしっかりと芯を持った音を出してもらい、着せる方のリードはそれに付随するように柔らかい音を作りました。

ここでどんなことを考えながらパラメーターを触ったのか、いくつか見ていきます。

メインを補うという考え方

着せる音のパラメーター
上の画像と同じものです
メインとなるリード
着せる方のリード

芯のあるメインとしての役割を果たすリードを聴いて一番初めに気になったのが、高音域にやや偏っているかなということでありました。

まあこういうのはよくあることなんですけど、中低音を少し埋める意味も込めて、サブオシレーターで1オクターブ低い音を付加しましたね。

既に高音は賑やかですし、倍音はあんまり要らないので、ここでは三角波が聴いた感じ具合が良かったのでそれにいたしましたよ(´w`*)

音に柔らかさを持たせるなら

「着せる」なんて表現をしておりますように、衣を被せるようなイメージで音を作るなら、柔らかな音が作りたくなりますな。

シンセのパラメーターをどう弄れば柔らかい音になるのか、方法はいくつかございます。

上のSynth1の画像も概ねそのような意図で弄っておりますので、参考になればよろしいかと思います。

まず、アンプのアタックを長めに取ってやり、立ち上がりを遅らせることで、鳴り始めの硬さを削いでおります。

また、以前にフィルターについての記事も書かせていただきましたが、ローパスで高音をカットしてやることで、ギラギラ感が削られることになりますからその分柔らかさが表われることになります。
音は静かだと柔らかに感じられるんですね。

それから、当ブログではエフェクトのことはまだあんまり書いてないので、いきなり言うのもアレなんですがね、Synth1にはコーラスのエフェクトが搭載されていますので、それも使っています。

コーラスは原音から僅かにズラした同じ音を鳴らすエフェクトで、これにより音の輪郭感を曖昧にし、柔らかさを与える効果をもたらしております。

同じ理屈でデチューンも有効でありますかな。
デチューンの広さはお好みで。

ついでにポルタメントも掛かるようにしてあります。
これも出音が安定しなくなる分、今回の意図する音には向いておるやもしれませぬな。

LFOで不安定な印象を持たせる

真ん中でしっかり鳴らすのではなく、LFOで常に揺らぎを与えることで、安定的ではなくメインの音に付随しているような印象になるようにしてみました。

ここではフィルターとパンニングにLFOを掛けております。

LFOったって、画像見ただけじゃ何やってんだか分かんないって人は、LFOについて解説した記事を書いておりますのでそちらもご覧ください。

こんな風に、音に柔らかさを持たせる方法はけっこう沢山ありますので、音を作る時にご自身の好みや気分で、様々な選択肢があるんであります。

合わせて聴いてみると…

こんな感じです。

サブのシンセを着せたリード

とりあえず単一の音源よりは複雑さ、深みみたいなものを出すことは出来たかなと思います。

実はトラックをこんな風に同時に鳴らすのに、より一体感を出すための小技みたいなのも使っています(まあ、ぶっちゃけコンプぶっ差すだけですけど)。

音作り主眼ですのでここでは省きますけど、もっと詳しく実践記事を書く時には、そういうことも踏み込んで解説したいなーとか思っております。

リードはとりあえず良しとして、次は?

今度はベースかなぁ

もちろん、これがリードの音作りの全てではありませんよ。

さらに攻めっ気の強い音にしたければFMを掛けてやったりとか、もっとやり方は多くあります。

強い音を作りたい時は、FMはじめ変調を利用すると尖った音が出来やすいかもしれません。

ところで、次回はシンセベースを作ってみることにしたいと思います。

当記事が初心者の方の参考になれば嬉しく思いまする。

それでは、また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。

サヨナラー

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