ご挨拶
こんばんちは(`・ω・)ノ
音作り、楽しんでおられますか?
前回エンベロープの使い方を学ぶのに、Synth1のアンプのパラメーターを1つずつ見てまいりましたな。
エンベロープには基本的にADSRの4つのパラメーターがありまして、これらを設定することで音に時間経過による変化を与える役割を持つ、というお話をさせていただきました。
まあ、あんまり難しく考える必要は無いと思います。
要は音の形や質感を決めるものだってことですね。
フィルターにもやはりエンベロープがありますので、先にエンベロープを知っていると分かりやすいかと思います。
フィルターの役割は何なのかってことですけど、シンセの音のどの帯域を通し、どの帯域を通さないのかを決めるのがこいつのお仕事になります。
これまでで、各波形をアナライザーで見てきたのを覚えているでしょうか。
倍音を持つ音色は、単一の周波数だけでなく、広い帯域で音が鳴っているのを確認できましたね。
あれは素通しの状態だったわけですが、フィルターを操作することによって音が出される帯域を制御し、フィルターを通った帯域の音がアンプに送られることになります。
それじゃ、どうやってフィルターで帯域を制御していくのか、お馴染みのSynth1で見ていきませうか。
よろしくお願いいたします。
3種のフィルタータイプ
音をフィルターへ通すにあたり、どういう形のフィルターを用いるかを決めることになります。
パラメトリックEQなんかを使った経験のある方は分かりやすいかと思いますが、ローカットやハイカットという機能は、指定した帯域以上(あるいは以下)を文字通りカットしているのが視覚的に分かりますね。
EQがフィルターと呼ばれることもあるように、得られる結果は良く似ています。
サウンドメイクとして使うか、マスキングやブーストのようにMIX的な意味合いが強いのかで、用途を分けているのかもしれませんね。
Synth1のフィルターには、どんなシンセにも標準的に搭載されているフィルターがしっかり用意されておりますので、どんなもんだか見てみたいと思います。
LP(ローパス)
低きを通すという意味になりますな。
低い周波数帯は通し、高い周波数はカットします。
雑な言い方をしますと、EQのハイカットと同じことです。
LP12とLP24の2種類ありますな。
これは、高音帯域をどれくらいの量削るかって考えで概ね合ってると思います。
CubaseのEQで、視覚的にどのように高帯域をカットしているか見てみると…


こんな感じで、LP24はよりくっきり倍音を削り、LP12は緩やかに倍音を削る感じになるでしょうか。
ローパスフィルターは恐らく、最も使いでのあるフィルターになると思います。
倍音をたっぷり持たせたノコギリ波で少しずつ卦けてみますね。
HP(ハイパス)
ハイパスは高音を通すので、逆に言うとローカットということになるかと。
ローパスもハイパスも、徐々に盛り上がらせていくような使い方で有効ですな。
このように、ローパスとは逆の性質を持っているのが分かります。
ドラムループとかでやってみると分かりやすいかもしれませぬな。
BP(バンドパス)
バンドパスは、特定の帯域だけ通すフィルターです。
つまり、ローとハイの両方をカットします。
こんな感じ。
特定の帯域のみを通すので、各周波数帯の特徴が如実に出ますね。
flq(フリケンシー)
このフリケンシーが、フィルターによるサウンドメイクの肝になりますな。
ローパスやハイパスで、どの帯域までを通すか、あるいは、バンドパスでどの帯域を通すかをここで決めます。
ツマミを左に回すほど、指定の帯域が下がっていき、右に回すほど帯域が高くなっていく仕組みです。
あなたの求める音の感じにマッチするようにツマミを調整してあげて下さい。
res(レゾナンス)
レゾナンスは、共鳴とか共振みたいな意味合いで、しばしば音にクセを付けるという表現をされます。
EQのローカットやハイカットで、カットが始まる直前の帯域をブーストするイメージですよ。
通す帯域と、通さない帯域の境目がより鮮明になるとでも言えば良いんですかね?
言葉だけですとどーにも難しいお話ですな。
こんな時はやっぱり実際に音を聴いてみるに限ります。
こういう風に、とりわけフリケンシーを動かすことで、存在感が顕著に現れるんですな。
リードにパッドにアルペジオに…相性の良い用途は沢山ありますから、シンセを使っていればしょっちゅう触ることになるでしょうなぁ。
フィルターでのエンベロープはどう扱うんでっか?
基本的概念はアンプのエンベロープとおなじになりまする。
アンプエンベロープが発音から最大音量に至り、消音するまでのプロセスを設定するものでした。
フィルターエンベロープは、発音開始時のフリケンシー値からアマウント値に至り、消音までフリケンシー値がどう推移していくかを設定するものになります。
要するに、フィルターでは、音量の代わりにフリケンシー値をエンベロープで操作するということになります。
というわけでamt(アマウント)の操作方法
アマウントのデフォルトの値はツマミの真ん中の0です。
これを左右に回すことで、+や-に値を動かすことが出来ます。
これが、エンベロープで動かす実際のフリケンシー変動値ですから、言い換えればエンベロープで増減する倍音の量を決めるパラメーターである、として見る見方もございますな。
エンベロープによるフリケンシー値の推移
発音が始まりますと、アタックタイムで設定した時間経過を経てフリケンシー値がアマウントの値まで上がります(アマウントが-なら下がる)。
アマウント値まで変化した後、ディケイタイムを経てサスティンレベルまでフリケンシーが動きます。
発音が止まると、リリースタイムの値を経てフリケンシーが元の設定値に戻ると。

こういう仕組みですから、エンベロープでフィルターを操作する場合は、アンプのエンベロープと互いに整合性が取れるように設定してやりませんと、思った通りの音にならないことがありますので注意しませう。
SAT(サチュレーション)
サチュレーションは、波形を潰して歪みを与える機能のことで、Synth1ならではというわけではなく、サチュレーターというエフェクトプラグインもありますです。
そんなことをして何の得があるのかって話ですが、歪みが発生することで、特に高音帯域の倍音に変化が起こります。
曲の中に埋もれやすいパッドのようなバッキングや、場合によってはベースなどの存在感を程よく引き立てる効果を得られますな。
まあ、サチュレーターは隠し味的に使うのが専らでありまして、極端に掛けすぎますと潰れすぎてサチュレーションというよりディストーションになってしまいます。
サチュレーションもディストーションも仕組みは同じですので当たり前なんですが、用途が異なりますので、程々に使うのが良いかと思います。
個人的な意見となりますけど、サチュレーション効果が欲しいならプラグインのサチュレーターを使った方が細かい調整が利きますので、このSATは基本的に触りません。
trk
カットオフ周波数のトラッキング感度を調整します。打鍵したノートナンバーに対してカットオフ周波数をどの程度変化させるかを調整します。 右いっぱいにまわすと、1オクターブのノートナンバー変化に対して1オクターブの周波数変化を(フル)、左いっぱいにまわすと、周波数は変化しません。 高域のノートで、高音が耳につきすぎる時等に使用します。
http://www.geocities.jp/daichi1969/synmanu/readme.html
スイマセン、実は吾輩もコレよく分かんないんですけど、試しにいじってみたところ、右に回すほど、高音のフィルターの効きが甘くなるような感じに聴こえました。
挙動を見た上での予想なんですが、音の高さでカットする周波数を相対的に変化させる機能なのかもしれませんね。
vel
これを点灯させると、ベロシティ(打鍵の強さ)とamt値が連動するようになりますな。
打鍵が強いと、amtが大きくなるみたいな感じです。
使うかどうかは好みが分かれる系でございますなコレ。
打ち込みで作曲するなら殆ど出番はないかと。
おわりに
お疲れ様でございました。
オシレーター、フィルター、アンプ…シンセの主要3要素のお話はこれで終わりましてございます。
ここさえ押さえておけば、最低限イメージ通りの音を追うことが出来るでしょう(多分)。
これ以外では押さえておきたいところといえば、ユニゾン、ポルタメント、LFOくらいでしょうか。
それ以外は汎用エフェクトですので、わざわざSynth1のものを使うより、それぞれのエフェクトプラグインとかで覚えた方が、使い方の練習としては捗りそうですね。
いずれにせよ、使いこなす一番の秘訣は、沢山触ることだと思いますので、アンプの出音のパターンとか、フィルターのパターンとかをご自身で色々試されてみてはいかがでしょうか。
う~ん…それじゃあ今度はLFOのお話でもさせていただきたいと思います。
よろしければお付き合いくださいませ。
今回はここまでとさせていただきたく存じます。
サヨナラー
コメントを残す