シンセ音作り晒し3回目-シンセパッドの作り方と使い方を紹介~2種のパッドのお話

ご挨拶

今回作るパラメーター

こんばんちは(σ・Д・)σ

FLのデータを消し飛ばしてしまった(アフォ)ので、1から音作りのお話をさせていただいておるシリーズの3回目でございます。

当シリーズの記事はこれ↓

歌う猫
歩く猫
ハープとぬこ
ノイズ
ぬこ、ピアノを弾く

この度はシンセパッドについて、お話をさせていただければと思っておりますですよ。

それではよろしくお願いいたします。

パッドって何なのか簡潔に教えれ!

まあ、当たり前ですがゲームパッドやマウスパッドのことじゃありませんので、音楽におけるPADがなんなのか?ってことでありますな。

DTMをさあやろう!って始めたばっかりの初心者の方ですと、ドラムやベースよりも馴染みの薄いものだと思います。

PADは主にコードを鳴らすバッキング(後ろで鳴らすイメージ)の音色をこのように呼びまして、そのコードの間、(主に)コード音を鳴らし続けるようなやつの事をいいますな。

ざっくり申しまして、コードを鳴らすトラックだと覚えておけば、概ねあっておるかと思います。

パッドに使う音色は様々

概念としましては、パッドという音色がある、というよりは音色をパッドという役割として使うということになりますので、サスティンの有る音色であればパッドとして機能することになります。

例えば、生楽器であればストリングス、管楽器、アンプを通したギターなんかはサスティンが長い(音を出し続けられる)ので、パッドとして使うことが出来ますな。

で、今回はそのパッドをシンセで作ろうというお話でございます。

いつも通り、まずは打ち込んでみる

まずは打ち込んでみました。

Gだけ7thを抜いてます

ルートと5thを鳴らし、その上に3rdと7thを乗せたシンプルなものです。

このようにパッドはベースなどと違って1トラックで音を重ねるもの(単音でない)でありますので、シンセの音作りだけで完結するのではなく、音の重ね方で広がりを求めるものだと覚えてしまってよいかもしれませぬ。

音の重ね方には、1オクターブ内に収めるクローズドボイシングと、オクターブを跨いで発音するオープンボイシングがあり、オープンボイシングのが、まあ広がり感を出すのには向いておりますな。

広がりよりも厚みが欲しいって時にはクローズドボイシングを使うとか、求めるものに応じて使い分けられるとよいでしょうな。

あ、でも、タイトルにある2種のパッドっていうのはこのことではないです。
そのお話は後半にさせていただく機会があるかと。

音作りスタート!パッドの基本形は?

ざっとPAD音色を作った
簡単に広がりを付けたければユニゾンとコーラスが手っ取り早い

パッドは一般的に、他のトラックと比較すると掴みどころがなく、ソフトな雰囲気が連想されることが多いかと思われます。

これもベースとは違った形で曲を支えるトラックでありまして、後方から曲のまとまりを強調したり、隙間を埋めるように機能するため、あまり目立つことの少ないトラックゆえでしょうか。

リードのようなウワモノより存在感が薄いわけですが、無いと物足りないようなそういうお仕事なんですなパッドちゃんは。

まずはエンベロープ

ソフトな出音にするためにアタックタイムを取る

とゆーことで、初めに手を付けたのはフィルターとアンプです。

特にフィルターのカットオフを徐々に上げていくようにしますと、柔らかなパッドらしさが出てきます。

そういう音にしたい時は、エンベロープのアタック上げ目に設定するとよろしいかもしれません。

音に広がりを持たせるにはコーラスやユニゾンデチューンを

で、パッドは曲を後ろから包み込むように鳴らすわけでありますので、そういう用途の場合は広がりを持たせるとそれっぽくなるでしょう。

広がりを持たせるといえば、空間系エフェクトやコーラス、デチューンが思い浮かびますな。

リバーブは後で掛けるとして、Synth1にはコーラスが付いておりますな。
まずこれをオンにしてやりました。

それからユニゾンですが、ユニゾン数が多いほどデチューンを掛けた時の音の広がりが大きくなりますので、同時発音数やパソコンのスペックと相談しながらユニゾン数を増やしていくとよいです。

デチューン幅によってもかなり音に差が出ますので、ここは好みで決めていきます。

デチューン狭め
デチューン広め

他にも、ユニゾンピッチをオクターブ上げ、オクターブ下げで設定しても、また趣の違った音が出来上がりますね。

上の音源はユニゾンピッチをオクターブ上げ(+12)で鳴らしております。

ピッチ変更の注意点
コードバッキングは、名前の通りコードを鳴らす役割という特性上、あまり変なずらし方は好ましい結果を得られない可能性が高いですので、オクターブ単位で触るのが無難でしょうかな。

鳴らし続けることへのマンネリ対策

マンネリ対策の設定
マンネリ対策には変化を加えるのが良い…ということは

パッドはバッキングとして鳴らし続けるわけですけど、いくら目立たず、意識して聴こうとしないと耳に入りずらいトラックだとは言え、ずーーーーっと変わり映えのしない音を鳴らし続けていても、無意識的なマンネリ感を覚えることがあるかもしれません。

目立つこともなく、普段気にも留めないところだからこそ、ちょっとひと手間加えてみると全然違ってきたりするもんですから、気付いたところはとりあえず拘ってみませう。

自動で音に変化をもたらす定番といえばLFO

やはりまずお手軽に音に変化を与える機能としては、LFOが初めに思い浮かびます。

上の画像ではFMがゆっくり掛かったり掛からなかったりするようにしてありますが、これが例えば波形は四角波を選んでいれば、p/wも使えますし、アンプLFOで音量を変化させたりしても良いです。

パンをLFOで動かす場合は、他のトラックとの兼ね合いで問題なければよろしいでしょうし。
ただ、あんまり動かし過ぎてパッドがうるさいみたいなことにならないように、やりすぎには注意が必要なのであります。

位相変化を起こすフェイザー・フランジャー

例えばEQで、ある周波数だけ極端に上げ下げすると、位相ズレという現象が起こることがあります。

ミックスとしての観点からしますと、これはよくないことでありEQ操作では気を使うところなんですが、フェイザーなんかはわざと位相を弄ることで音に変化をもたらすことが出来るエフェクトなんでありますな。

やってみるとこれがなかなか面白いものでして、Synth1には右上のEffectというところにフェーザーが搭載されているので使ってみましょうか。

右上のエフェクト一覧
右上のEffect でエフェクトを選べる

個人的にはミキサーでvstのエフェクトを使うことが多いですが、音源内の設定で使えるものはそれを使うのも普通におkだと思います(そのために作者様が作ったわけだし)ので、こういうものは活用されるとよろしいでありましょう。

LFOとフェーザーをオンにした

分かりやすいようにちょっと極端に掛けましたが、これで音が常に変化している感じが分かりやすいかと思います。

さて、それではざっとミックスして、全体で聴いてみることにします。

パッド無し
さっき作ったパッドあり

一発で気付いた方はあんまりいないんじゃないかと思いますが、パッドにもベースと同じようにサイドチェインを掛けてあるんですな。

前回はキックとベースが被らないようにサイドチェインを使ったわけですが、こんな風にトラックの一体感を得るためにサイドチェインを用いるということもできます。

それに、EDMを聴きなれている方はよく分かるでしょうが、シンセパッドにサイドチェインというのは、結構一般的なことでありますので、EDMを作りたい方は覚えておかれるとよいかと。

今作ってるこれがEDMかといわれると…アレですけど。

もう一種のパッドとは歯切れのよいアタックパッド

さっきのパッドと厳格に種類で分けられているわけではないんですが、もう一つのパッドというのは、より輪郭のはっきりしたアタックパッドであります。

こっちはこっちでなかなか、さっきのパッドより強さがある割には、曲中に馴染ませてやると良い仕事をしてくるものですよ。

まずは素のノコギリ波で打ち込み

新たにSynth1を起動し、アタックパッドを打ち込みました。

さっきのパッドがオープンボイシングで7thまで打ち込んでいたので、今度は試しにクローズドボイシングで3音で打ってみました。

ここからシンセを弄ってまいりますぞよ。

アタックパッドというからにはアタック感を重視する

アタックパッド
とりあえずこんな感じになりました

ノコギリ波ばっかりなのでたまには四角波を使ってみることにしました。

んで、フィルターは今回は、ローパスではなくハイパスを試しています。
パッドは全帯域に音が溜まりやすいものですから、特に、モッタリと溜まると何かと困る低音域はEQでカットするとか、フィルターで削るとか、何らかのアプローチが欲しくなるんです。

さっきのパッドと違ってアタック感が欲しいので、フィルターやアンプのアタックは最小限とし、あまり原音から大きくは加工していない状態であります。

フェーザーやユニゾンピッチはひとまず保留で。

フィルターLFOは…なんとなく掛けてみたんですけど、アタック感がより欲しい場合はkeyもオンにした方が良さそうですね。

アタックが強いのでトランスゲートで遊びやすい

トランスゲートのような目的でノートを細切れに

普通に言われるパッドに比べてアタックが強いわけでありますから、こんな感じの使い方もできちゃいますな。

トランスゲートというのは、定期的に音を一瞬切ることでリズム感や疾走感を出すのに使われる手法、またはエフェクトのことでして、名前の通りトランスを聴いてるとよくお目にかかることになります。

ベタ打ちだったノートを、ピアノロールのカッター機能で細切れにしてやりました。

アタックパッド+Trance gate

頻繁にアタックが鳴りますので、これだけでマンネリ防止の効果が期待できるかと。

ゲートをどういう風に切るかは、作り手のセンス次第であります。
強いて言うならリズムに外れ過ぎないように気を付けるくらいですが、コツっていうコツは別にないんじゃないですかね?
好きなように切ってみると、案外カッチョエエゲートが出来るやもしれませぬ。

切りたいところをカッターで縦に切ってから、ノートを全選択してちょっとだけ短くしてやるだけですので、簡単でありますよ。

混ぜて聴いてみましょう(*´ー`)

結局フェーザー入れました

ざっとミックスした結果、こうなりました。

パッドの音量が大きいかもしれませんがその辺は好みで

まあ、パッドの仕事はしてくれていると思います。
こっちを採用しましょうか。

パッドの役割と作り方の考え方のまとめ

ウワモノについて思案する
他のウワモノはどうしよう…

こんな感じで、柔らかく(時には硬く)曲全体を補完するように、後方支援的な仕事をしてくれるのがパッドであります。

後方で鳴らして違和感のない、馴染みやすい音作りを目指したいところであります。
それは輪郭をぼやかせるとか、倍音の削り方とか、あるいはアタック感の調整かもしれません。

ですが、これはあくまで基本的なことで、プロが作るアンビエンスなパッドなんかは本当に神秘的で素晴らしいものでありますな。
まったくパッドは奥が深いです。

あなたも是非、良きパッドを求めてみてください。

さて、まだ晒せる引き出しはございますので、引き続きSynth1で出来るような音作りのお話を続けさせていただきたいと思っております。

ハープとぬこ

ということで、また機会があればよろしくお願いいたします。

サヨナラー

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