Synth1の使い方voice編-Trance等では必須のユニゾンを使う音作り

Synth1のVoice

ご挨拶

こんばんちは( ノ゚Д゚)

Synth1を使った、ソフトシンセの使い方のお話をさせていただいておりますが、はじめに想定していたよりも記事数が結構多くなっておりますな。

  1. フリーシンセのSynth1でソフトシンセの基本を学んでみよう
  2. フリーシンセのSynth1でオシレーターの役割と4つの波形を見てみませう
  3. Synth1のオシレーターでは何を出来るのか?パラメーターと効果を確認してみる
  4. Synth1で見るオシレーターの使い方完結編
  5. Synth1(と時々SERUM)で見るソフトシンセ アンプのお仕事と使い方
  6. Synth1で見るシンセの使い方フィルター編
  7. Synth1で見るシンセのLFOの使い方-周期的な変化による音作りの種

ですがいよいよそれも佳境であります。

今回は、Synth1の1番右下にありますvoiceについてお話をさせていただきたく思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。

このvoiceでは、シンセならではの発音機能ユニゾンを操作することが出来ますな。

トランスに必ずあるビーとかジャーとかいう音(分かりにくいか)を作るのには、このユニゾンが必須であります。

こんな感じのやつ

他にも、ポルタメント機能やpoly/monoを切り替える機能も、Synth1ではここに集約されておりますね。

これら各機能についても見ていきたいと思います。

音をunisonさせる意味って?

ユニゾンは、融和したとか、同じ高さの音みたいな意味になりますけど、その意味の通り同じ音を同時に発音するお仕事をしてくれるのが、このユニゾンであります。

同じ音なんか出してどうするのか?
同じ音が重なったって、音が大きく聴こえるだけじゃん?

確かに、全く同じ音ならそうですな。
では、同時発音した複数の音が、それぞれ微妙に違っていたとしたら?

オシレーターの元の波形は1本でも、ユニゾンで微妙に違う音を重ねることによって、厚みのある太い音を出すことができるって寸法ですよ。

設定項目を順に見ていきますよ

Synth1のVoice

Voiceの項目も、オシレーターのように細い線で区画分けされておるのにお気付きですか?

こいつをこれから、順番に見ていって、Voiceにある機能を利用してどんな音作りが出来るか考えてみませう。

poly/mono/legato

これは、使用しているSynth1上で、同時発音をどのように扱うかを制御するものです。

これチョットややこしく聞こえるかもしれませんけど、ここでいう同時発音はピアノロールでMIDI信号を複数鳴らしたり、鍵盤を複数同時に押すこと、つまり和音で音を鳴らすことを指しております。

では、これらは何がどう違うんでしょうか?

poly(Polyphonic)

ポリフォニックといいます。
複数同時に音が出せる的な意味です。

どんなシンセも立ち上げた時には、基本的にpolyの状態で立ち上がります。

鍵盤をいくつか同時に押したら、押した音が同時に鳴る状態の事ですよ。
普通ですね。
標準的な状態と言えます。

何か特殊な音を作るわけでなければ、多くの場合このpolyの状態で作業をすることになりますかな。

mono(Monophonic)

これはモノフォニックですね。
polyと対照的に、鍵盤や打ち込みによる同時発音(同時入力)が出来ない状態です。
鍵盤を同時に押しても、1つの音しか出ません。

演奏においては単一の発音になりますが、ユニゾンは有効であり、また、ディレイ等の空間系エフェクトのような、外部からの干渉は普通に受けます。

このモノフォニックの特徴というのは、新たな入力を受け付けるたびに、前の入力を強制的にキャンセルして発音するところにありまして、例えばMIDI打ち込みでは、既に発音されている途中で新たにMIDIノートを重ねた場合、新たに読み込まれた音だけが鳴ることになりまする。

また、入力が終わっていてもアンプのリリースタイムが長いために音が鳴り続けている場合なんかでも、強制的にぶった切って次の音を発音することが優先されます。

シンセベースを作る時や、リリースタイムの長い音で、重なってしまうと気持ち悪かったりうるさくなっちゃったりする時に使う感じですかね。
要はリードとかベースとか、和音として鳴らさないような音作りで有効なことが多い、と覚えとくと良いかもしれませぬ。

legato(レガート)

monoと同じで、発音が1音だけで和音には非対応というところが似ていますが、monoとは違ってエンベロープの状態を前の音から引き継ぎます

つまり、すべての音をアタックタイムから発音するわけではなく、ノートが繋がっている場合は、前の音がディケイタイムやサスティン状態あるいはリリースタイムを発音中だった場合、音程が変わるだけで、エンベロープはあたかも前の音を鳴らしているように振る舞うのです。

自分で書いててめっちゃ分かりずらそうだと思ったので、monoとlegatoを比較できるようにエンベロ-プを設定しました(;・∀・)

サスティンレベル0で、ディケイとリリースの長い音を使ってmonoとlegatoを聴き比べてみます。

mono
legato

monoですと、1音1音にアンプやフィルターで設定したエンベロープが適用されておりますな。

それに対して、legatoは最初の音から全て繋がっているので、全ての音に最初の1音のエンベロープ情報が引き継がれて発音されております

こんなの何に使うんだよ…(´・ω・`)ってもしあなたが思ったのなら、あなたは吾輩の同士であります。

ですが、使い道はあります。
より滑らかにしたいが、シンセ特有の音の硬さが気になるって時もあるかもしれませんので、そういう時にはこのlegatoは選択肢の一つ足りえるのであります。

poly発音数

poly同時発音数の項目
音源の最大入力数を定める

現在操作しているSynth1で、ユニゾン含め最大で何音同時発音が可能かを設定できます。

これを操作すると、下に並んでいる■が増えたり減ったりしますね。

この■はメモリの空き容量みたいなもんで、音が鳴ると、鳴っている音数の分だけ白くなります。

これにはユニゾンも含まれますので、画像のようにユニゾンが7だったら、1音鳴らすと■が7つ白くなることになりますな。

これは最大で32まで増やすことができ、例えば8ユニゾンの4和音(8×4=32)までとか、4ユニゾンの8和音、2ユニゾンの16和音までみたいな感じで、ユニゾン数込みの最大同時発音数をここで決めます。

少ない方が軽いですけど、Synth1って元々軽いソフトなので吾輩はあんまりここをシビアに見たことはありません。

他のシンセだと無制限なことも多いし。

まあ、ユニゾン数で割り切れる数字にしておくと、見た目的にはスッキリしていいんじゃないでしょうか。

シビアに見る必要は無いが…
PADみたいな同時発音の多いトラックでは、発音数をオーバーしないよう注意した方がよいと思います。

unison

unisonのボタンをクリックして、緑のランプが点灯しているとユニゾンが発生します。

シンセによっては、オシレーター毎にユニゾンを設定できる場合もありますが、Synth1の場合ですとオシレーター1、2共にこのユニゾン設定が適用されると思われます。

では、実際何を設定できるんでしょうか?

num

ユニゾンによる同時発音数を決めます。
最大8です。

多いほど音の密度が上がることになりますので、厚みのある音が欲しい場合はユニゾン数は多めにします。

このユニゾンはシンセの醍醐味といってもよいかもしれませんね。
ただ、ユニゾンの少ない(あるいは無い)カラッとした音もそれはそれで良いものでして、年がら年中厚かったり太けりゃいいとも限らないものです。

是非とも、そのあたりは上手く使い分けられるようになりたいものであります。

det

デチューンのツマミですな。

トランスっぽい音の作り方が知りたい方にはお待ちかねのところでございます。

ユニゾンで発音している音を、原音から僅かにずらすことで、音に厚みを持たせるのに使うんです。

ここで設定した値が大きいほどズレ幅が大きくなり、設定された値を最大値として、ユニゾンで出された数の波形が等間隔でズレて配置されます。

これも文字だけでは自分でよく分からなかったので(;´Д`A画像を用意いたしました。

デチューンが狭い
デチューンが狭い
デチューンが広い
デチューンが広い

画像はSynth1ではなくSERUMなんですが、吾輩が言いたかったのはこういうことでございます。

detを大きくすることで、ユニゾンした波形のズレが大きくなります。

det20
det80

音で聴くとこんな風に違いますね。

イメージとしては、デチューンが狭いと鋭く、広いと厚みのある柔らかい感じの音になるとでもいいましょうか?

phase

オシレーターの解説ではよく分からんみたいなことを書いてしまったやつです。

これはオシレーターのphaseと連動しておりまして、機能させるためにはオシレーターのphaseを1以上にする必要があるようです。

んで、これは何なのかってことなんですが、ユニゾンした音の位相を同期させるもののようです。

急に位相とか言われても困るんだが(;゚Д゚)

波形を図で見てみた時に、波形は上向きの時と下向きの時がございましたな。

すごい大雑把にいうと、あの波形の形を位相っていうんですが、同じ位置、同じ周波数にある上向きの波形と下向きの波形は互いに相殺してしまう性質があったり、色々面倒なんですな。

ユニゾンデチューンした音は僅かにズレておりますので相殺して音が消えたりとかはしないんですが、周波数が僅かに異なるそれぞれのユニゾン音が好き勝手に鳴っていた場合、打鍵の度に位相が変わってしまう=音が微妙に変わってしまうんですな。

それが嫌だって時に、位相を同期させるツマミがコレなんだと思います。

sprd(スプレッド)

ユニゾン音が左右どっちから鳴るかを決める項目で、ユニゾンが2の時だけ明瞭に機能します

原音はユニゾンとは逆の方向から鳴り、+なら右に、-なら左にユニゾン音が移動します。
ユニゾンのピッチを変えていると分かりやすいですな。

sprd 0
sprd 63
sprd -64

ユニゾンが3以上の場合ですと、音が左右に広がるような効果が得られますので、簡易的なステレオイメージャーとして使えるかもしれませんな。

ユニゾン7 sprd 0
ユニゾン7 sprd 63

pitch

ユニゾン音のピッチを、1増減するごとに1半音、原音からずらします。

5で完全4度、7で完全5度、12で1オクターブずれることになりますな。
実用的なずらし方といったら、こんなもんかもしれません。

他はイロモノになるでしょうか?

portament(ポルタメント)、グライド

ポルタメントは、前の音の音程から繋がっているように、滑らかに音が鳴り始めるようにします。

シンセによっては、Glide(グライド)と表記されておることもございますので、お使いのシンセでこの機能を使いたい場合は、どちらかで探されるとよろしいかと存じます。

このツマミでパラメーターを大きくしていきますと、より滑らかに音程が繋がったように音が鳴るようになります。

ただし大きすぎると、本来の音程に達するまでに長い時間を要するようになってしまい、単に気持ち悪いだけなので要注意でありますぞ。

autoボタン

ポルタメントは通常、全ての音に適用されますが、これをオンにしますと、音が途切れた場合にポルタメントが掛からなくなり、繋がっている音にだけポルタメントが機能するようになります。

auto オフの状態
auto オンの状態

こんな感じですね。

そのトラックがどんな役割を持っているのかで、上手く使い分けていきたいものですな。

おわりに

基本的な音作りに関わるシンセの機能のお話は、これにて全てお伝え出来たかと思います。

他の項目はエフェクトなどでありますので、シンセでしか出来ないようなことではなく、ほとんどオマケみたいなもんだと吾輩は認識しております。

音作りの行程はほとんど

  • オシレーター
  • フィルター
  • アンプ
  • poly/mono(場合による)
  • ユニゾン(場合による)
  • LFO(場合による)
  • ポルタメント(場合による)

これらによって行われており、何度も申します通り、オシレーター、フィルター、アンプの3つが、音作りには取り分け重要な役目を担っております。

それぞれのパラメーターがどんな仕事をしているのかが概ね理解できれば、Synth1以外のシンセでもほぼ不自由なく使うことが出来ると思います。

ぜひあなたのお持ちのシンセで、良い音作りにチャレンジなさってみてくだされ。

今度は、これまでお話してきた機能を使って、実際にどう音を作っていくのか、例としてちょっと書いてみました

それでは今回はこれまでであります。

サヨナラー

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