こんばんちは(●´・v・)⊃
フリーソフトシンセのSynth1を使った音作りの実践的なお話をさせていただくシリーズの最終回であります。
当シリーズはこちら
前回歌でも始まりそうだと書いたと思いますが、結局勢いで1コラ歌まで(ボカロですけど)作ってしまいましたのでその中で音作りを進めていきます。
最後に全部まとめて聴いてみましょう。
さて、Synth1は初心者の練習にも使いやすく分かりやすいソフトシンセであるとして、長年絶賛を受けているシンセではありますが、その中でもFMやringのような変調機能はやや難解なものではあります。
Synth1で音作りをしながら吾輩の引き出しを晒すシリーズ最終回といたしまして、変調を使った音作りの例をお話させていただきたいと思います。
それから、今回は作業にFLStudioを使っておりまして、FL使いの方向けに曲データも差し上げようと思いますので、Synth1のパラメーターを見たい方はどうぞ。
それではよろしくお願いいたします。
リング変調でシンセベルをこさえる
変調は、波形と波形を掛け合わせて新たな倍音を生み出してくれる機能ということでありましたな。
これは主に金属的な倍音感を得ることが出来やすいということで、これを使うことによってベルのような音をこさえることが出来ます。
まあ、ちょっとやってみませう。
こんな感じの音になりました。
Synth1はオシレーター2にリング変調の機能が付いておりますが、こいつをオシレーター1の波形と掛けてやることになりますな。
こういうベルっぽい音を作ろうと思った場合、オシレーター1が倍音の多いノコギリ波とかですと高音が喧しくなってしまいますので、オシレーター1は倍音を持たないサイン波を使いました。
オシレーター2でリングをオンにしたら、ピッチを操作します。
変調は、オシレーター同士のピッチを異なるものにすることで質感が大きく変化するのであります。
ピッチは半音単位で操作できますが、値が1違うだけでも相当に音が変わるのが、やってみると分かるかと思います。
少しづつ値を変えていって、気に入った音を探してみるとよろしいのではないでしょうかな。
それに加えて、mixでオシレーター1と2の発音量配分を調整してやることで、倍音の出方を調節することが出来ますな。
お手軽にベルっぽいうわものが欲しい時なんかに使いでがあるかもしれませぬ。
四角波に四角波でFMを掛けると結構攻めっ気の強い音になる
効果音的用法やアクセントとして使えるものを一つ作ってみましょう。
四角波はp/wを操作すると矩形波に変化するということを覚えておいででありましょうか?
では、それを利用して、四角波に四角波でFMを掛けながらp/wを動かしてやるとどうなるでしょうか?
FM変調が掛かったまま、互いの波形が変化していきます。
例えば、ピアノロールのC3に2小節の長さのノートを置き、四角波同士のFMでP/wを動かしてみると…
こんな感じになります。
だいぶギラついた音になりましたな。
ピッチが上下しているように聴こえましたが、操作していたのはp/wだけです。
このやり方ですと、p/wを下げるとピッチが下がって聴こえるんですが、p/wを下げていきながらピッチを上げていくと、音が下がりながら上がるように聴こえる現象が起こりますので、フィルなんかのアクセントに使えるかもしれません。
今回はサビ前に1小節ブレイクを入れて、そこに細かく刻んだこいつを入れてみることにしましょうか。
おまけ 素の波形もディレイとLFOで埋もれさせないようにできる
変調のお話はこれくらいにしておきまして、以前の記事で軽く触れた素のサイン波のお話を少しさせてください。
サイン波は倍音を持たず、ポーっと無機質な音を発する波形なんですが、エンベロ-プやディレイなんかでちょっとだけでも加工してやりますと、にわかに温かみを持つ波形であります。
とはいえサイン波はサイン波。
アレンジが進んでいきますと、倍音の無いサイン波は他の音と比べると埋もれやすくなるのはしょうがないですな。
倍音を付加するでもなく、音量を上げるでもなく弱い波形の存在感を守りたいのであれば、横にずらすというのは一つの選択肢であるかと思います。
横にずらすというのはパン振りを操作するということですな。
左右あちこちで鳴らすようにしてやりますと、ど真ん中で鳴らすだけよりも耳に入って来やすくなるんですな。
DTMは箱の中にどうやって音を詰め込むかといったところがあり、全部の音を真ん中に寄せれば必然的に埋もれる音が出てきてしまいます。
ところが左右のスペースは、やはりセンターよりは比較的スペースが空きやすくなりますので、空気感を出したいようなトラックでは散らすのは有効なんでありますな。
それから、Synth1のディレイにはピンポンが入っておりますので、これを入れてやるとより存在感が出せるかと思います。
他のトラックも同時に鳴らして聴いてみると、結構違いますね。
それじゃまとめて聴いてみましょうか(゜▽゜*)♪
今回作った音で、前回からの続きを作っていきます。
歌で言ったら、AメロBメロ、サビ前らへんになるでありましょうか。
以前使ったトラックも動員し、まとめてみましたら、こうなりました。
サイン波のトラックも左右に散って聴こえておりますし、シンセベルもピンピン鳴っているのが聴こえるかと思います。
いずれも主役のトラックではないので、こんなもんでよろしいですかな。
ここからさらに、これまでのトラックを配分して歌メロを付けてやりました。
ボカロいじりは…まあ、後で勉強しときます;
うーん、ちょっとサビが詰まりすぎな感もありますけど、まあいいかw
まさか最初に作ったトラックが前奏になるとは思いませんでした。
まあとにかく、Synth1が無料ソフトシンセの傑作と呼ばれるのがよく分かりますな( ´ー`)
ほとんどSynth1だけで1コーラス作ったわけですが、これだけで案外色々出来てしまいますので、これが無料で使わせていただけるのは本当にありがたいことであります。
さて、ここまでお読みくださり、まことにありがとうございました。
ソフトシンセを使った音作りに関して、吾輩の知っておりますことを色々書いてまいりました。
これからシンセの音作りの基本的な考え方を勉強される方に、ちょっとでも参考になるところがありましたら本望であります。
FLの曲データも晒しておきますので、Synth1のパラメーターが見たいというFL使いの方がもしもいらっしゃいましたらご自由にお持ち帰りください。
ただ、アレンジやミックスの参考としてお役に立てるかは微妙かもしれませんが…。
上でご紹介しております無料プラグインをエフェクトでいくつか挿しておりますので、その点ご了承くださいませ。
それでは、初心者の方々が良きシンセサウンドを作れるようお祈り申し上げます。
ってことで、今回はここまでであります。
サヨナラー
コメントを残す