ご挨拶
こんばんちは(人´・ω・)
こないだまで、ソフトシンセのSynth1を例に取り、オシレーターのお仕事がどんなもんやら、各パラメーターが音にどう影響するのか?なんてことを見てまいりましたな。
オシレーターについてはあらかたお話出来たと思いますので、それ以外のところもボチボチお話させていただきたく存じますル。
シンセで重要な3つの要素といえば、オシレーター、フィルター、アンプだというのは、以前から申し上げております。
順番通りに見ていくなら今度はフィルターなんですが、先にアンプをやっちゃおっかなーって思います。
アンプというのはエンベロープが凄く大事になってくるんですが、逆に言うとそれだけ分かればアンプの話って終わっちゃうんですよ。
フィルターも同様にエンベロープで操作しますので、先にエンベロープについて理解を深めておいたほうが、後でフィルターって何ぞや?って時にも捗るんじゃないかなって思いまして。
アンプのエンベロープについて
まずはエンベロープというもの全体の概要について二言三言。
Synth1のオシレーター2にも、モジュレーションエンベロープというやつがありました。
エンベロープってのは音に対する処理を時間の経過でどのように行うかを命令するもので、並んでおります通り…
- A(アタックタイム)
- D(ディケイタイム)
- S(サスティンレベル)
- R(リリースタイム)
の順に処理されていきます。
これら4つの内、サスティンだけは時間ではなくレベルを決めるパラメーターになっていることに気付きましたか?
エンベロープ上では、D(ディケイタイム)とS(サスティンレベル)が関わり合っております。
ですから、パラメーターとしては各々独立したものに見えますが、感覚的には
- A(アタック)
- DS(ディケイとサスティン)
- R(リリース)
という処理順である、と考えるのが合理的でしょうか。
これまでSynth1でパラメーターを見てきましたが、ちょっとSERUMにツラを貸してもらいましょう。
SERUMは有償ソフトシンセで、今じゃかなりの有名どころ。
安くはないですけど、コレが有れば大体間に合っちゃうって感じの優れた一品でありますな。
DTM初心者の方も、SERUMの名は覚えといて損はないと思われ。
まあそれは良いとして、SERUMは親切にもエンベロープが視覚的に確認できるようになっております。
こいつを参考に、エンベロープの流れを把握してみましょう。
音はSynth1に出してもらいます。
SERUMは画像だけ。
正弦波を鳴らすサンプルを用いて、エンベロープを操作することによって音がどのように変わるか検証してみます。
A(アタック)
アタックは、打鍵したりMIDIデータによって発音が開始された時点から、最大音量に達するまでに掛かる時間量を決めるパラメーターです。
最大音量とは、Synth1ではRの右にあるgainがそれにあたりますね。
他のオシレーター毎に音量を決めるタイプのシンセの場合は、それぞれのオシレーターで設定した音量が最大音量として定義されることになります。
耳で聴いて確認したい場合は、アタックの値を0にして鳴らしたときに聴こえた音量が最大音量ということになるっちゅーことですな。
単純に、アタックの値を長めに取る(ツマミを右に)ほど、音の立ち上がりが緩やかになるという解釈で問題ないと思います。
実際に音を聴いてみます。
アタックの値が大きいほど、緩やかに音が鳴り始めるのが分かるんじゃないでしょうか。
アタックのポイントとしてぜひ覚えておいていただきたいこととして、聴いて分かる通り、アタックの短い音は固い音のようであり、長い音は柔らかい雰囲気を持っているといった感じで表現されることがしばしばあるんですよ。
これはアンプに限らず、フィルターやコンプレッサー等でのアタック感というのは、音の質感に対してかなり大きな影響力を持ちます。
D(ディケイ)&S(サスティン)
ディケイタイムとサスティンレベルの2つは、ワンセットで考えるのが楽でよいです。
取り敢えずどういう仕組みなのかをお話ししますと…
アタックタイムを経て最大音量に達した後、ディケイタイムを経てサスティンレベルまで音量を下げる。
…となります。
例えば、吹奏楽器の奏法にあるような、吹き始めを強く、その後を弱く的な表現をシンセで再現するのに使ったりしますかね。
このように、ディケイタイムで設定された時間を経ながら、サスティンレベルで設定された音量まで下がっていきます。
なお、サスティンは鍵盤を押し続けている(MIDI入力が続いている)限り続きます。
こういった仕組みの都合上、サスティンレベルがデフォルト値(最大)の場合には、ディケイタイムをいくらにしようが意味がないことになりますね。
曲のジャンルによっては、使用する機会はあんまりない機能かもしれません。
逆にサスティンレベルを0にしてやると、ディケイタイムで音が鳴り終えるまでの時間を調整するといったことが出来たりしちゃいますよ…例えば
こんな風にポンポンと短く鳴るような音を作れるわけです。
これのディケイタイムをさらに短くしていくと、ピコピコいうようなプラックと呼ばれる音になります。
シンセのお話が一通り済みましたら、吾輩の音作りの引き出しをいくらか晒そうと思っておりますので、プラックについてもそちらで詳しくお話出来ればいいなーとか考えております。
R(リリース)
リリースタイムは、鍵盤を離したり、MIDI信号が終わった後に、どれだけの時間を掛けて消音するかを設定するパラメーターです。
リリースタイム0の原音がこちら
リリースタイムを80にしますと、このように原音が鳴り終わっても、余韻を残しながら徐々に消えていきます。
簡単に空気感を出したい時、弦楽器を弾いたような残共感を求めるとき、このリリースに触れるという選択肢があります…が、やりすぎは禁物ですなコレ。
発音数が多いトラックでこれをやりすぎちまいますと、単なる無法地帯と化します。
空気感とか言ってる場合じゃなくなりますので、どこまでもシビアに付き合っていくべきパラメーターといえます。
一番右のvelって何?
これはベロシティ(打鍵の強さ)によって音量差を出すかどうかの設定です。
本物のピアノみたいな話ですよ、あれって打鍵の強さで強い音や弱い音があるじゃないですか。
ツマミを右に回すほど、ベロシティに対する感度が上がるというもので、ツマミが一番左ならOFFの状態になります。
必然的でない限りは、使うかどうかは個人の好みでしょうね。
ソフトシンセのアンプのお話まとめ
オシレーターと違って、パラメーターが少ないので直ぐに終わりました。
でも、このエンベロープを使って音の形を変幻自在に変えられることがお分かりいただけたでしょうか?
パラメーターは少なくとも、アンプには音の形を決定する大事な役割があるんですね。
それじゃあ、ADSRの流れをSERUM先生にまとめていただきたいと思います。
まず、1番左の点で発音が始まりました。
2番目の点がアタックの点です。
設定された時間を経て、アタックの点まで音量が達します。
その後、ディケイタイムで設定された時間を経て、3番目の点であるサスティンレベルまで音量が下がります。
やがて発音が終わりましたが、原音が鳴り終わっても、リリースタイムで設定された時間を経て余韻を残し完全に音が消えていきます。
シンセの発音から消音までのプロセスは、このように決定されていたんですね。
それじゃあ、今度はシンセ3大要素の最後の1つ、フィルターのお話をさせていただけたら幸いに存じます。
機会がありましたらまたご覧くださいませ。
サヨナラー
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