シンセ音作りの基本2-ノイズで作れる効果音や高音の補強とかのお話

ノイズ

ご挨拶

こんばんちは(=゚ω゚)ノ

本日もシンセの音作りのお話でございます。

前回、フィルターを動かしながら音を鳴らすと、発音、または演奏内で変化を付けられるってお話を主にさせていただきました。

当シリーズの一覧であります↓

歌う猫
歩く猫
ハープとぬこ
ぬこ、ピアノを弾く

さて、倍音を出したり削ったりすることで音の出方が変わるということでした。

レゾナンスを掛けてやることで、この変化によりクセが出るのでありましたな。

今回のお話は、タイトルにあります通り、ノイズにはどんな使い道があるのか?ってことを、主に書いてまいりたいと思っております。

よろしくお願いいたします。

ノイズを高音の補強に使う

前回でもちょっとだけ触れたことなんですけど、ノイズの用途としましては、実にポピュラーなのではないかと。

大体、高音帯域がよく出ている音は賑やかなところでもよく聴こえます

これを音の抜けがいいなんて言ったりしますけど、リードとかリフみたいなミドルで鳴らすようなことが多い音にノイズを付加してやると、トラックの多い場面でも存在感を出すのに一役買ってくれます。

デチューンしたノコギリ波にノイズを混ぜる例

例に使用するパラメーター

単純なノコギリ波をデチューンさせた音を作りました。
これで、ノイズが無い版と有る版を比較してみます。

ノイズが無い版
ノイズが有る版

ホントに薄っすらとしか掛けてないので、耳で違いが分からなくても大丈夫です。
吾輩の場合ですと、この聴こえるか聴こえないかのところを攻めるのが、個人的にはミソだと思っております。

もっと極端にノイズを混ぜるのは、より大胆なサウンドメイクの手法としてありますが、それは別物として見ておりますな。
それこそ聴いて誰でも「ノイズ混じってんな」って分かるようなやつは、リードみたいな目立つトラックで使ってやれば、それはそれで映えるのでいいんじゃないでしょうか。

で、こんな分かりにくいことをして何になるのかってことなんですけど、今度は音じゃなくてパラグラEQで音の出方がどう違うかを見てみますぞよ。

ノイズが無い版
ノイズが有る版

FLStudioのFuity parametric EQ 2です。

これはアナライザー機能として、音の出ている帯域が赤く光るようになっています。

ノイズの有り無しで見比べてみますと、ノイズの有る方は、ノコギリ波の倍音の隙間を埋めるように、取り分け高音域は音が密に出ておるのが分かるかと思います。

長物の音だともっと分かりやすいかもしれません。
コードでも鳴らしてみましょうか。

ノイズ無し版
ノイズ有り版

これだと聴き比べて、ノイズが混じっているかどうか分かりやすいんじゃないでしょうか。

で、上で言ったこと、覚えておられますかな?

高音帯域がよく出ている音は賑やかなところでもよく聴こえます」

トラック数が多いサビとかドロップでは、いわゆる埋もれる音が出てきてしまいがちなんですが、こうやってノイズを混ぜてやることによって、トラックが埋もれすぎてしまうのを防ぐことが出来ますな。

これと同じような用途では、打楽器に混ぜてやってもいいかもしれません。
ただし、何事もやりすぎは禁物でありますぞ。

似た効果を求めた時、サチュレーターで歪ませた音を元音にセンドでうっすらと混ぜてやる、ということをすることもありますな。

サチュレーターを使った場合ですと、どっちかというとナチュラルな暖かみのある感じになりますので、ホワイトノイズとはまた毛色が違うというか、やはりノイズはデジタルな音向けかなって感じがしますね。

ローパスフィルターで風の音を

これも定番のノイズを使った効果音ですな。

EDM聴く人とか、音ゲーやる人とかは絶対聴いたことのあるやつです。

「ピシュ~」っていうアレですよ。

これをノイズスイープといいます

作り方と使い方を見てみます。

ノイズスイープの作り方

作り方なんていってもどうってことはないんですけど、手順はこうです。

オシレーターはノイズだけ鳴るようにしときます。

オシレーター2をノイズにして、mixはオシレーター2だけにする

フィルターはローパスで、レゾナンスはちょっと高めに。

ノイズは高音域の成分が多いとザーっというホワイトノイズが鳴る一方で、ローパスで高音域を削ってやると、ゴーっというピンクノイズといわれるノイズになります。

上のノイズスイープのサンプルでは、前半のライザーな部分はフィルターのフリケンシーを徐々に上げていっております。

レゾナンスが十分に効いていることで、フリケンシーの変化がより強調されていますな。
これがもしレゾナンスが効いてないと…

レゾナンス値0

まあ、別にいいけど…というかなんというか、ちょっと間抜けな感じがしてしまうでしょう。

逆に、後半のフォールな部分は、フリケンシーを下げてやっておるわけです。

ピンクノイズからホワイトノイズへ、ホワイトノイズからピンクノイズへと動いているだけなんですなコレ。
今すぐ使えるノイズ効果音レシピであります。

フィルターをLFOで動かしてやるもよし、オートメーションが使えるんでしたら、オートメーションでフリケンシーの動きを書いてやってもよろしいですな。

オートメーションだと、単純な三角形だけでなく、動きを細かに指定することもできる

ノイズスイープの使い方

音の性質上、効果音として使うことになります。

最もよく使われるのは、やはり曲の節目節目にノイズスイープを置いてやることでしょうな。

曲の変わり目の手前からフィルターを上げていって、変わり目のところでフィルターを下げていく…某音ゲーやる人とかだと、L.E.Dがよくやるアレって言えばすぐ分かると思います。
分かんない人は別に分かんなくても大丈夫なので安心してください。

しかしこの、曲の節目にライザー&フォールとしてノイズスイープを置くというのはシンプルでいて効果的な手法でして、実際にもよく使われております。

それだけ実用性は高いということですな。

他にも、LFOやオートメーションを使って早刻みにしたやつを徐々にボリュームを下げて行ったり、パンニングを操作してやるとか、やり方はいろいろございますな。

要は、こういう感じです。

小刻みなノイズのボリュームを徐々に下げる
LFOなどでパンニングを動かす例

こういうのは節目に使ってもいいし、バッキングSEで入れてやっても案外馴染む場面もありますので、色々試してみるとよろしいかと。

他には、トランスゲートみたいな挙動をノイズスイープに入れてやっても、単純で聞き飽きたものが嫌だって人にはスパイスになるかもしれませんね。

ノイズスイープにトランスゲート

上のトランスゲートの例はMIDIで操作した単純なものですけど、こんな単純なやり方でも効果は十分に発揮してくれます。

ノイズはフィルターの自己発振と相性が良い

フィルターの自己発振というのは、シンセをある程度使えるような人でも、知らない人は案外いらっしゃるんじゃないかなと勝手に思っておるんですが、吾輩も詳しくはないですけどちょっとだけこれについてお話を。

レゾナンスを高めるとフィルターが自己発振するよ!

レゾナンスの面白さに味をしめたころのあるある話、レゾナンスを上限近くまで上げてやるとどんな音になるんだ?ってことでやってみると、すごいうるさい音が出た!みたいなことって、やったことある人多いんじゃないでしょうか。

あれっていうのは、フィルターが自己発振、つまり、レゾナンスが高すぎてフィルター自体から音が出ちゃってるんですな。

波形で言うと、超高いサイン波が、フィルターから発振されているんですが、これも全く使い道が無いわけではないんでございます。

ノコギリ波とか四角波で音作りしようとすると、普通にフィルター使いたいのに自己発振されちゃ困りますので、レゾナンスの値というのは極端に上げることってほとんどないと思います。

ですが、ノイズはこの自己発振と意外と相性が良いので、これを使ってワンショットの効果音を作ったりもできます。

ノイズと自己発振で出来た音

これはノイズと、フィルターの自己発振だけで作った音でして、オシレーターの波形は使ってません。

上の音源でのフィルターはこんな感じ

レゾナンスは122にして、フリケンシーは真ん中くらいなんですけど、このフリケンシーの値が違うと音の高さも変わりまして、フリケンシーが高いと、より金属的になります。

例えばここで使っているSynth1の場合、フィルターのtrkをMAXにしとくのがよろしいです。
これによって、フィルターのフリケンシーが音程によって動きますので、上の例のように自己発振の音程を動かしてメロディ的に使うこともできます。

ただやはり、こういう音はワンショットの効果音として使うのが有用であるかと思います。

フィルターのtrkをMAXにして、ワンショットで運用してみると良いですな。
高い音も低い音も趣がありますので、あなたご自身で聴いてみるとよいでしょう。

電動青年様の講座が超参考になります

自己発振のことをここまで書いといて、あとは人にぶん投げるのもどうかとも思ったんですけどね、ノイズでの効果音の作り方について電動青年様が大変見識高い動画を投稿しておられますので、一度ご覧になることをお勧めします。

すごく物知りな方ですな。

吾輩もこの方の動画は勉強になりますのでたまに復習させていただいております。

ノイズを使ったシンセの音作りまとめ

今回はこんなところでしょうか。

ノイズはその特性上、他の音に混ぜて使ったり、効果音として運用するのが現実的なんでありますな。

ホワイトノイズなら、高音域の密度を高めることによって、音の存在感を引き立てるのに役立ってくれます。

特に、元々倍音の多い波形やデチューンしたものなどとは親和性が高いので、使いやすいのではないでしょうか。

ノイズスイープは言ってしまえば昔からある手法ですので、使い古されたもののように考えられる方もいらっしゃるかもしれません。

なんですけど、やはり時を経てなお有用であるというのもありまして、昨今の曲でも普通に使われておりますし、古いからイカンというようなものでもないんではないかと思います。

また、このスイープも加工次第で様々なバリエーションを作ることが出来ますし、今回以外のやり方で言えば、もしかしたら何かすごく相性の良いエフェクトがあったりするかもしれませんから、馬鹿にしたもんではございませんぞよ。

自己発振については詳しくないんですけど、知ってることはお伝えしました。

ノイズを鳴らしてフィルターの自己発振を利用すると、なんか金床をハンマーで叩いたような音っぽい感じになりましたな。

これを空間系エフェクトとか歪系エフェクトとかで更に加工しても、面白いワンショット効果音が作れるかもしれません。

さて、これにてノイズのよくある用途についてのお話はおしまいになります。

続きの記事を書きましたので、シンセの基本を更に学びたい方は併せてご覧ください。

また機会がありましたら、よろしくお願いいたします。

サヨナラー

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)