ご挨拶
こんばんちは。
日常の偶然というのは本当に”なんとなく”起こるものでありまして、「そういえば、もうすぐhideの命日だな~」なんて考えながら部屋の掃除をしていましたところ、まだハナタレのガッキンチョの頃に買ったhide BESTが箪笥から出てきました。
吾輩、hideのファンでして、歌ものアーティストの中では断トツで一番なんですな。
カラオケに行ったら鉄板であります。
歌は端末に移しているのでいつでも聴けるんですけど、折角だし久しぶりにCDで聴いております。
もう亡くなって20年以上経ってしまうhideですけど、今彼の歌を聴いても全然色褪せてないんですね。
それくらい個性的で魅力的なアーティストだったってことですけど。
そういうわけで、hide BESTに入ってる曲にまつわるちょっと面白いエピソードとか思い出話を、まあさすがに全曲分は無理ですが書かせていただきたいと思います。
酔っぱらって標識担いで延々夜道を歩いたとか、YOSHIKIの魚の骨を取る係だったみたいな話は他の方がたくさん書いてらっしゃいますので、そういうのじゃなくて。
もしhideを知らない方が、かつて居た偉大なアーティストに興味を持ったなら、是非その魅力にご自身で触れていただきたく思う次第であります。
DOUBT
あっという間に出来上がっちゃった名曲
50%&50%のカップリング、ダウトであります。
好きな方はいっぱいいらっしゃるでしょ?
聴いたことがないのは勿体無いですよ。
聴いてよし歌ってよし、気分がスッキリします。
カラオケでは大体2曲目にこれであります。
まあ、そんなことはいいとして、これってたったの1日半で作られちゃった曲なんですよね。
個人的には才能という概念そのものに否定的な吾輩なんですけど、この曲を1日半かと思った時には、改めてその天才性を思わずにはおれませんでした。
曲調的にもあんまり手を出そうとする人はいない感じ(当時の流行り廃りの中で)でも、「そんなの関係ねぇ」を地で行ってるなと。
hideの歌詞感、その職人気質
で、このDOUBTは独特なhideの歌詞の中でも抜きん出てそうなんですけど、これって日本語で聴いても英語で聴いても意味的に成立する作りになっておるのがもう1つのビックリポイント。
こういう遊びをあちこちに入れる人なんですな。
日本語のDOUBTを聴いた外国の人が、これを英語の歌だと勘違いしちゃったなんて話もありますし、英語のDOUBTも勿論歌われております。
混ぜちゃった人もおられますな。
この歌詞のお話をしたところでもう一度。
この曲、1日半で作られております。
感性の密度が半端じゃねーでありますな。
この歌の歌詞の好きなところ
何故かドキッとします。
四面楚歌でも気付きゃしねえのさ
DOUBT hide
FLAMEとMISERY
カラオケではFLAMEが一曲目、MISERYで〆が吾輩のお約束となっております。
好きな方はいっぱいいらっしゃるでしょ(2回目)?
歌詞から見るhideの優しさ120%感
真由子さんとのエピソードは有名過ぎるんでそれは書かないですけど、歌詞からhideの真っ直ぐさが伝わってきますよね。
hideと病の女の子のお話を知っている人とはご縁が多い割に、その女の子が、hideがFLAMEとMISERYを作る切っ掛けになったって話を知っている人とはあんまりお会いしたことがないですな、不思議です。
彼女へのおくりものとしてこの曲を聴いたとき、hideからのメッセージが詰まっているのが分かります。
MISERYの好きなところ
全て受け止めてこの空の下で君が笑う
MISERY hide
この言葉で締め括られてますけど、何を思ってhideがこれを歌ったかを想像するとグッと来るものがあります。
魂の込められた言葉は、言語の意味以上の意味を持つってのは本当なんですな。
歌詞の一言一言に軽さがないとでも言いますか。
hideの魅力の一つに、確たる大人の知性と無垢な子供の感性をどっちも持ってるってところは、絶対にあると思います。
そんなhideだから書ける、優しさの詰め込まれた歌が、このMISERYとFLAMEなんじゃないでしょうかね。
あなたがもし知らなかったなら、是非真由子さんとのエピソードを一度見てから、真由子さんとの出会いで生まれたこの曲を聴いてみていただきたいです。
あなたがそれで何かを感じたなら、多分それが吾輩が言いたかったことだと思います。
コマーシャルでも使われてたりして
ヘアトニックのサクセスってありますよね。
MISERYはあれのコマーシャルで流れたりもしたんですけど、あのコマーシャルで「サクセェス!」って言ってるのも実はhideだったりして。
ちょっとしたトリビア。
D.O.D.(DRINK OR DIE)
おじさんが怒られるんだよ!
なんかよく分かんないけどハッチャケたい時とか、テンション上げたい時にオススメです。
お酒の歌ですねホント酒が好き過ぎる人でありますな。
酔っ払ってやらかしたエピソードには事欠きません。
でもさすが、良識はそこらのあんちゃんよりずっとしっかりしてる人ですから、それも笑い話になるんであります。
ライブでD.O.D.を演るときは、観客をステージに上げてお酒を飲ませるのがお約束。
なんですけど、未成年者も上がりたがるもんですから、そんなときは「未成年者に飲ませたらおじさんが怒られるんだよ!」って窘めてくれたものです。
吾輩が覚えてるので笑っちゃったのは、警備の人を引っ張って来て飲ませちゃってましたけど、アレはいいんですかねw
hideの言う通り、(警備の)おじさんが怒られちゃった(んじゃないかな)というお話。
やらしいお店版の替え歌がある
曲中に「日本酒バーボンビールに…」ってお酒の名を羅列するところがありますけど、あそこが風俗の名を並べて歌う替え歌があったりするんですな。
風俗日記とか書いちゃってる人ですから、そういう遊びも達人なんでありましょう。
これ初めて聴いたときは、なんで酒飲みなのに産婦人科で宴会なんだろうと思ったもんですが、こっちならあんまり違和感ないですなw
この歌の好きなところは
二日酔いが怖くて酒がのめるか、それなら三日三晩飲み続けりゃ怖くねぇ
D.O.D.(DRINK OR DIE) hide
常人の発想じゃないですよ。
でも、頭が良くないとこんな言葉は出て来ないでしょねぇ。
ちなみに、hideの曲の中でもこれはギターが弾きやすい曲ですので、初心者のギターの練習用の曲としてもオススメ出来る一曲であります。
間違っても初心者の人がFLAMEやLEMONed I Screamなんか弾こうとしちゃいけませんよ。
でないと、吾輩みたいに心を粉々にされちゃいますからね。
ROCKET DIVE
超有名なのでご存知の方も多いであろうROCKET DIVEです。
徹頭徹尾前向きな歌として、老若男女に親しまれる名曲でありますな。
実はこれもギター初心者にオススメの練習曲でもあります。
6弦だけチューニングを変えますので、タブ譜の注釈書きをよく読むとよいです。
凄くいい歌なんですけど、hideはこれを「綺麗事」だとして、後にピンクスパイダーやever freeが生まれています。
このエピソードをhide BESTの付録本では、hideと松本少年(少年時代のhide)のやり取りとして、ユニバーサルディレクター(株)A&Rディレクター後藤昌彦氏によって語られています。
思うに、テレビ出演やインタビューなんかから見える人柄を考えると、子供みたいに純粋で隠し事とか嘘のない人って感じじゃないですか。
綺麗事とは言ってるけど、こういう風に思ってる一面もやっぱりあるんじゃないですかね。
これ、伊集院光と筋肉少女帯のオーケンが対談してるんですけど、10分50秒あたりでチラッとだけhideの話をオーケンがしてます。
自分の歌を綺麗事って言ったりしても、下手に嘘とか綺麗事とか言えない感じの人って印象ですよね。
なので、じゃあROCKET DIVEの中身は嘘かっていうとそういうわけじゃなくて、ROCKET DIVEもピンクスパイダーもever freeも、実はhideが見えてる世界の一面をちょっと違った角度から見てるだけ説を個人的には推したいところであります。
ところで、この曲の好きなところは
なんにもないってこと、そりゃあなんでも有りってこと
ROCKET DIVE hide
勇気湧きません?
50%&50%
hideの作詞センスを引き出した一曲
この頃、吾輩のアンテナにはこういう歌詞の曲があんまり引っ掛からないんですよね。
流行らないのかな?探し方が悪いんでしょうか?
なんとも掴みどころがないようでいて、でも感覚的にはなんとなく分かるみたいな、むずがゆいんですけどそれがなんか知らんけど心地よい的なやつです。
なにしろ隠喩だらけなので、この歌の真意はhideと森雪之丞さんしか分かりません。
そうそう、この曲の作詞は森雪之丞さんなんですね。
付録本によれば、hideは森雪之丞さんを作詞の師匠と呼んで、後の作品に大きな影響を与えたと記されています。
1st SINGLEのEYES LOVE YOUもそうですね。
そう言われちゃうと、hideの独特な歌詞センスも合点がいくところはありますよね。
加えて元々の音楽的センスときたら、鬼に金棒ってわけですわな。
この歌の好きなところ?全部ですよ。
仮面の下は怪我だらけの顔?
いきなり何言ってんだ?って思われそうなんですけど、HIDE YOUR FACEっていうアルバムがあるんですよ。
記念すべき1stアルバムです。
これには最後の方のトラックに、アコギで歌う50%&50%<CRISTAL LAKE VERSION>っていうのが収録されてるんですけど、個人的にはこの歌はそっちの印象がなぜか強くて記憶に残っているんであります。
なので、50%&50%っていうと、HIDE YOUR FACEを思い出してしまうんですな。
たしか当時のギターの雑誌でhideの特集をやってたんですけどね、そこに書いてあった気がするんですけど、HIDE YOUR FACEのジャケットを作る前日、hideは横須賀で外国人と喧嘩してて顔中傷だらけで、当日制作に来たんだそうです。
仮面を被って、顔が隠れてちょうどいいみたいなことを言ったとか言わなかったとか。
hide話、おわりに ~死因?自殺なわけがない~
hideの歌はどれも好きなのでちょっと語り足りないんですけど、あんまり長く書きすぎるわけにもいかないので…。
惜しいという言葉じゃ到底足りない人ですよね。
亡くなって20年以上経った今でもそう思います。
吾輩の職場の人でも、hideの話題になると「あの自殺しちゃった人?」みたいなこと言う人が結構いたりしますな。
まあ、興味のない人にとってはそんなもんなのかなって思う反面、「そんなわけねーだろ」ってやり場のない思いがどうしても湧いてきちゃいますねぇ…。
そもそもそういう柄の人じゃないし、直後に控えたツアーだって楽しみだって言ってたのに急にでしたからね。
他殺説をぶち上げて友達と大喧嘩した思い出話とかもありますけど、とりあえずここではそれはナシで。
あ、hideと関係者の名誉にかけて弁明させていただきたいですが、hideの近しい人が…みたいな話じゃないですよ。
昔はツァーリボンバ級グレートゴッデス中二病拗らせマッハメタリックマキシマム状態だったので、子供の戯言だと流してください。
あまりに不幸な事故でありました。
追っかけ自殺しちゃった人たちも、そんなことしたらhideは喜ばないどころかメッチャ怒るって本当は分かってたんじゃないですかね、あの人の性格だと多分そうじゃないですか。
追っかけてった人達は”あっちの世界”で、hideにこってり叱られてればいいんです。
それなら、少なくともあっちでhideに会えたってことですからね。
自殺者とそれ以外では逝き先が違うとか、そういう無粋な話はやめましょうよ。
そんなことを祈りつつ、命日には1ファンとして黙祷を捧げたいと思う今日この頃でありました。
では、サヨナラー
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