前回は、チョーキングの概要を書きました。
今回は、チョーキングに関するコツや注意点を書いていきます。
まずはフォームに関して。
前回も書いた通り、まずはロックスタイルの握り方の基本を、しっかりと押さえておいてください。
なぜなら、良くないフォームでは、弦を押し上げる/引っ張り上げる際に、色々な弊害が出てきてしまいます。
・無駄な力が必要となり、手を痛める
・チョーキング時の音程が安定しない
・押弦が甘くなり、か細い音のチョーキングになってしまう
これらは、初心者~中級者の方に多く見られます。
では、実際にチョーキングする際のコツや注意点です。
弦を押し上げる手の動きは、丸いドアノブを回す感覚に似ています。
(※こういう丸いドアノブを回す感じです↑)
そう、腕の回転を使うのがコツです。
弦を押し上げるといっても、単に縦方向の力で押し上げるのではなく、回転させる力で押し上げる感じです。
(※この向きの回転、手のひらを表裏する時にクルクル回す回転です↑)
(※良くない動きの例、指を押し出すような縦の動きは良くないです↑)
なぜ、回転する力を使うのか?
その理由は、回転運動には“軸”があるので、腕~手の全体が安定します。
(※しっかりとしたロックスタイルのフォームで構えましょう↑)
(※さっき書いた腕~手の回転を使うと、こういう弦の押し上げ方になります。ガッチリ安定しています↑)
(※指を押し出す縦の動き。回転を使った写真と比べて、指が伸びてしまっていますし、グリップのガッチリ感も低いです↑)
また、中指でのチョーキングでは人差し指を、薬指でのチョーキングでは中指(+人差し指)を、それぞれ添えてあげると、指への負担が小さくなり、さらに安定します。
(※中指でのチョーキング。人差し指を添えています↑)
(※薬指でのチョーキング。中指と、場合によっては人差し指も添えます↑)
前記事で細かく説明しましたが、チョーキングは弦を押し上げて音程を変えるテクニックです。
普通の押弦だとフレットが音程をとってくれますが、チョーキングは正確な音程を左手の感覚に頼る部分が大きいのです。
左手(腕)が安定していないと、左手の感覚も安定しませんから、結果として、とっても音痴な演奏になってしまう恐れがあるのです。
それは、チューニングの合っていないギターの演奏を聴くのと同じようなものです。
特に、前回ご紹介した“アップ・チョーキング”などは、チョーキングした状態にしてからピッキングするので、音程は100%左手の感覚が頼りになります。
指の力、手首の力だけに頼ったチョーキングは、後に派生させたテクニックを習得する際にも、大きな障害となってしまう恐れがあります。
例えば、、後ほど紹介する“ビブラート”というテクニックにも悪影響が出てしまうでしょう。
特に、ロックやブルース、それから日常耳にするポップス等で多く使われる、エレキギターによるリード(ソロ)プレイのビブラートは、小さなチョーキングを繰り返して音を揺らします。
チョーキングの基本を疎かにしてしまうと、音程や音の揺らし方が不安定になりやすく、音痴な印象を与えてしまいます。
聴いていて心地良いビブラート、格好いいビブラートは、身につけるのが難しくなってしまうでしょう。
個人的なことですが、僕自身、良いビブラートを身につけようと練習をしていた際、チョーキングの動きから見直すことになり、癖の修正に長い期間を費やしました。
毎日1時間、正しいフォームと音程の、チョーク・アップ/チョークダウン。
これを、ひたすらゆっくりなスピードで繰り返していました。
悪い癖がギリギリ出ないスピードで毎日繰り返し、少しずつスピードを上げていきました。
そして、良いビブラートを実現できた自身のプレイの録音を聴くと、以前とは比べものにならないほど、表情豊かで心地よいビブラートになっていました。
その時の達成感は、今でも忘れられません。
チョーキングはフレットによる音程の制限から、プレイヤーを解き放ってくれるテクニックの代名詞です。
歪ませたギターサウンドの洗練されたチョーキングは、まさに“突き抜ける”サウンドですよね。
しっかりと基本を押さえて、格好いいチョーキング、聴き手の耳を奪うチョーキングを身につけてください。
さて、次回はチョーキングについての最後、譜面上の表記のされ方や、さらに細かい点にも触れていきたいと思います。
では、今回はこの辺で!
by Akimaru
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