前回まで、チョーキングの概要や、コツと注意点を書いてきました。
今回は、五線譜(オタマジャクシ)やTAB譜の中での表記や、演奏する上での細かい点などに触れていきます。
チョーキング、譜面(スコア)での表記
まず、譜面上での表記のされ方です。
チョーキングは、音符をスラーで繋ぎ、『C』と表記されます。
チョーキングを表記する際、大抵はチョーキングで変化する音程が表記されます。
・『Q.C』→約1/4音上げ(クウォーター・チョーキングの略)
・『H.C』→半音上げ(ハーフ・チョーキングの略)
・『C』→1音上げ
・『1H.C』→1音半上げ
・『2.C』→2音上げ
しかしながら、音程が表記されずに、一律で『C』と表記している譜面もあります。
この時に注意するべきは、TAB譜の場合です。
先程の図を見ていただくと、五線譜では異なる音程をスラーで繋いでいるので、『C』の表記のみでも問題ありません。
TAB譜の場合は、同じフレットの表記のままなので、一律『C』と表記されている場合は、音程の上げ幅を読み取れないのです。
その場合は、ほぼ必ずTAB譜とセットで五線譜が記載されていると思うので、そちらで音程を読み取る必要があります。
様々なチョーキングの記譜
次に、アップチョーキングや、チョークダウンの表記です。
・『U』→アップチョーキング
・『D』→チョークダウン
その他、複数の弦を同時にチョーキングしたり、2本の弦を同時に鳴らして片方の弦だけチョーキングしたりという場合です。
・『W.C』→ダブルチョーキング
・片方の弦だけチョーキングする例
以上の表記を知っていれば、ほとんどの譜面は読めるかと思います。
しかしながら、譜面によって細かい部分は異なることが多いですね。
加えて、ギター用の譜面でない場合、五線譜の音符がスラーで繋がっているだけで、『C』等の記号はありません。
そこでチョーキングを使うのか、他の奏法を使うのか、ギタリストのセンスの見せ所になりますね。
知っておきたい、チョーキングの注意点
続いて、細かい注意点について書いていきます。
チョーキングで最も注意すべきなのは、やはり音程です。
正確な音程はプレイヤーの腕前にかかっていますので、以下の注意点を踏まえて、正確な音程のチョーキングを身に付けてください。
弦のテンションが変わると、力加減が変わる
まずは、弦の張力(テンション)について。
ギターの特性上、テンションが弱い程、少ない力のチョーキングで音程を上げることができます。
ですので、ギターを持ち替えたりした場合、チョーキングで同じ音程をとる場合に、力加減が変わってくるのです。
以下に、ギターによってテンションが変わる要因をあげます。
1つめは、弦長(スケール)です。
ギターには、ブリッジからナットまでのスケールが、主に3種類あります。
・ロングスケール →ストラト,テレキャス,等
・ミディアムスケール →レスポール,等
・ショートスケール →ムスタング,等
スケールが長いギターほど、弦のテンションは強くなります。
2つ目は、弦の太さ(ゲージ)です。
当たり前なのですが、弦のゲージが太いほど、弦のテンションは強くなります。
3つ目は、弦高です。
これについては若干の差なのですが、弦高が高いほど、弦のテンションは強くなります。
トレモロ付きギターは、特に音程に気を使おう
では最後に、トレモロ付きのギターに関する注意点です。
例えばストラト等、トレモロ付きのギターをフローディング(ブリッジを浮かせた状態)にする場合は、弦の張力とボディ裏のスプリングの張力のバランスをとって、フローディングの状態にします。
そのため、チョーキングをした場合、弦とスプリングの張力のバランスが崩れるのです。
結果として、同じスケールで同じ弦のゲージのギターでも、トレモロの有無でチョーキングの力加減が変わってきます。
また、同じ理由で、チョーキングをしていない弦のテンションが若干緩んで音程が下がります。
そのため、チョーキングした弦としていない弦を同時に弾いて演奏する場合、チョーキングしていない弦を少しだけチョーキングして音程を上げないと、正確な音程は出せません。
ロックな曲など、勢いで乗り切れる曲なら目立たないのですが。
バラード等のスローナンバーで、泣きのギターソロを弾く場合など、このちょっとした音程の不安定さが雰囲気を壊してしまったりするため、注意が必要です。
次回は・・、
3回にわたって書いてきたチョーキング編、
いかがでしたか?
次回は、次のテクニックについて書く前に、弦交換の基本と、あまり知られていないコツについて書いていきます。
では、今回はこの辺で!
by Akimaru
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