【ギターソロを弾こう~ハーモニクス編①】まずは倍音を知り、ハーモニクス奏法の仕組みを考えてみよう

前回は、ハンマリングとプリングを組み合わせた、トリルについて書きました。

今回は、「ポーン」「キューン」といった高い周波数の音を出せる、“ハーモニクス奏法”について書いていきます。

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2019年5月31日

ハーモニクス奏法とは

“ハーモニクス”という言葉自体は、倍音という意味もあります。
書いて名のごとく、ハーモニクス奏法とは、(ほぼ)倍音のみを意図的に鳴らす奏法です。

ヴァイオリンにおいては、“フラジオレット”と呼ばれる奏法がこれにあたります。

そもそも、“倍音”とは何か

倍音と聞いても、なかなかピンと来ない方もおられるかと思いますので、ギターを例にとって簡単に説明します。

実は、ギターという楽器は弦を直接押弦して音程を変えるという、とても原始的な構造の楽器なので、倍音の仕組みを理解しやすい楽器です。

例えば、ギターで3弦の開放弦を弾いたとします。
この時の音程は、“G(ソ)”になります。

しかしながらこの時、実際にギターから鳴っている音程は、正確にはG(ソ)だけではないのです。

整数倍の周波数を持つ音程

では、他にはどんな音程がギターから鳴っているのか?

その音程は、弾いた音程の周波数に対して、整数倍の周波数を持つ音程です。
コレが、“倍音”と呼ばれる音になります。

とはいっても、文字だけだと分かりづらいので、下図を使って説明していきます。

弦の長さを整数で割った図
(1/1~1/7)

~まずは、1倍の周波数~

いま例に挙げている3弦の開放弦を、この図に当てはめてみます。

3弦の開放弦は、図では一番上のものになります。

開放弦の長さ

開放弦は、基準となる1倍の周波数になります。

~2倍の周波数~

次は、3弦開放の2分の1の長さです。

開放弦の1/2の長さ

開放弦の2分の1の長さは、ちょうど12Fのフレットバーの上の位置にあたります。

12Fを押さえて、開放弦の2分の1の長さで音を出すと、開放弦の周波数の2倍の周波数を持つ音程が出ます
ちなみに、開放のG(ソ)から1オクターヴ上のG(ソ)の音です。

~3倍の周波数~

では、開放弦の3分の1の長さだとどうなるのでしょうか?

開放弦の1/3の長さ

開放弦を3分の1の長さに分割する位置は、Fと19Fのフレットバーの位置になります。

7Fを押さえて弾くと、開放弦の3分の2の長さになってしまうので、3分の1の長さで音が出るのは19Fです。

3分の1となる19Fを押さえて音を出すと、開放弦の周波数の3倍の周波数を持つ音が出ます
この音は、開放弦のG(ソ)の1オクターヴ上のD(レ)の音です。

つまり、5度上の音の更に1オクターヴ上の音という事ですね。

~4倍の周波数~

続けて、4分の1の長さです。

開放弦の1/4の長さ

開放弦を4分の1の長さに分割する位置は、5F・12F・24Fです。
12Fで2分の1なので、それをさらに2分の1にする位置が5Fと24Fの位置、という感じです。

最もブリッジ側の24Fを押さえて音を出すと、4分の1の長さの音が出ます。このとき、開放弦の4倍の周波数を持つ音が出ることになります。

音程は、3弦開放のG(ソ)から2オクターヴ上のG(ソ)です。

見えてくる法則性

・・こうしてみると、法則性が見えてきます。

そう、ギターで整数倍の周波数を持つ音を出すには、弦をその整数分の1の長さにすれば良いのです。

上記の例で、1倍~4倍までを図解しました。もちろん実際には5倍以上も存在しています。

しかしながら、5倍以上のものはギターのハーモニクス奏法で使われることが稀なので、ここでは割愛します。

開放弦に含まれる整数倍の要素

開放弦を鳴らすと、先程の2~4倍の周波数を持つ弦振動の要素が、同時に振動してるんです。

この、様々な倍音を含むことで、ギターの「ベーン」という音色を作り出しています。
視点を変えると、倍音の含み方がその楽器の音色を作りだしている、とも言えるかもしてません。

逆に、倍音を含まない音は、時報などで聞かれる「ポーン」という音色です。
自然界にある音は倍音を含むことが大半なので、倍音を含まない音(純音)は人工的な音色であることがほとんどです。

倍音のみを鳴らすハーモニクス奏法

説明が長くなりましたが、いよいよハーモニクス奏法の登場です。

前記したように、
ギターの開放弦の2・3・4倍の周波数を出すとき、弦の長さの2・3・4分の1の場所(フレット)を押さえます。

その時、弦を2・3・4分割する位置のフレットを思い出してみましょう。

  • 2分割 → 12F
  • 3分割 → 7F,19F
  • 4分割 → 5F,(12F),24F

まずは、例として2倍の周波数を持つ倍音を、ハーモニクス奏法で鳴らしてみましょう。

12Fでハーモニクス奏法

2倍の周波数を持つ倍音を鳴らす場合、開放弦を2分割する位置、つまりは12Fハーモニクス奏法をします。

やり方は、

  1. 12Fのフレットバーの真上辺りを、指で弦に軽く触れます(※押弦するのではなく、軽~く触れるだけです)。
  2. そのまま弦をピッキングします。
  3. ピッキングした瞬間に、触れていた左手の指を離します。
3弦12F
フレットバーの真上に軽く触れる
ピッキングした瞬間に
触れていた指を離す

いかがですか?
「ポーン」という透き通ったような音が出たと思います。

よく見ると、あら不思議!
ナットから12F、そして12Fからブリッジ、見事に弦の振動が2分割されています!

ホント、こんな感じで弦が振動します!

これが、開放弦から2倍の周波数を持つ倍音を鳴らした状態です。
開放弦の1オクターブ上の音が鳴っています。

厳密にいうと、1倍(開放)や3倍の周波数の振動がミュートされているため、2の倍数となる周波数以外は鳴っていない状態です。

つまり、余分な倍音が減る(純音に近い)ために、透き通ったような音色になるわけです。

次回は、、

12Fのハーモニクスを出してみたところで、今回は締めたいと思います。

次回は、実際にギターで演奏する際の、ハーモニクス奏法のコツ
そしてハーモニクス奏法のバリエーションに触れたいと思います。

では、今回はこの辺で!

by Akimaru

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