前回までは、弦を張り終わるところまでの作業をみてきました。
今回は、最後の仕上げ、弦を張って最初のチューニングについてみていきます。
張りたての弦は、チューニングが安定しない
ここまでの作業で6本の弦を張り終えましたが、弦はある程度の張力で張ってあるだけで、正確にはチューニングされていない状態です。
何度も弦交換をされている方はお分かりだと思いますが、弦を張りたての状態だと、一度チューニングしただけでは簡単にくるってしまうんですよね。
この対処法として、
チューニング→弦を引っ張って伸ばす→チューニング→・・と、チューニングが安定するまで、ひたすら繰り返すのです。
かなり面倒くさい作業なのですが、しっかり弦を伸ばしておかないと、チョーキングしただけでガクッと音程が下がってしまい、とても音痴な演奏になる・・。
なんていうことになりかねません。
しかしながら、なぜ、弦交換の後すぐには、チューニングが安定しないのでしょうか?
弦張りたてで、チューニングが安定しない原因
その原因には、幾つかの要素が含まれています。
- 単純に、弦が伸びていって音程が下がる
- チューニングしていく(音程を上げていく)過程で、ネックがしなって音程が下がる
- ペグに巻き付けている弦にアソビがあったため、そのアソビが無くなっていき音程が下がる
- 主にナット、そしてストリングスガイドやブリッジのコマ等の滑りが悪く、引っかかりがとれて音程が下がる
- シンクロタイプのトレモロが付いているギターで、スプリングと張力の均衡が取れておらずチューニングが下がる
パッと思いついただけで、これくらいあります。
特に、最後に挙げたシンクロトレモロに関しては、慣れるまでチューニングに時間がかかってしまうかもしれませんね。
(※これに関しては、長くなってしまうので、後々に別の記事で解説します)
今回は、それ以外の要素について、対策とチューニングのやり方をみていきます。
チューニングが安定しない原因への対処方法
まずは、ナットやストリングスガイド等の、弦と摩擦のある部分の引っかかりについて。
チューニングでペグを回すと、「キ・・キキ・・キンッ・・」なんて音が鳴ってしまう状態ですね。
これに関しては、前回の記事に書いたように、弦との接点となる部分に、潤滑油等を使用することで改善します。
また、まめにナット溝の清掃をして、汚れやチリなどを取り除くことも大切です。
ナットに鉛筆の芯(黒鉛)を塗り込む手段も有名ですが、潤滑油と違って異物に近いものなので、個人的にあまりオススメできません。
ペグに巻き付けた弦のアソビとは?
ペグへの弦の巻き付け方がまばらになっていて、アソビがある状態のことです。
これに関して、あまり意識している方は少ないかもしれません。
弦交換でペグに弦を巻いていく際、ストリングスワインダー等を使用して綺麗に巻き付けていくことは、こういった面でも大切なのです。
また、ペグへの巻数が少ない場合も、このアソビの原因になってしまいます。
ネックのしなりや弦の伸びに関して
これについては、ある程度チューニングを繰り返していると、次第に落ち着いてきます。
どうしても避けて通れないので、ライブ等の直前で弦交換をした際は、演奏中にチューニングが狂ってしまわないよう、しっかり馴染ませておきましょう。
先程は、何度もチューニングを繰り返すと安定してくる・・、と書きましたが。
慣れてくると、ネックのしなりや弦の伸びでチューニングが下がってしまうのを見越して、最初に1/4音くらい高めにチューニングしてから弦を伸ばしていって馴染ませると、作業の時短ができます。
これは、何度か弦交換を繰り返すうちに、感覚が身に付いてくるかと思います。
チューニングを終えたら、弦交換の作業が完了です!
根気強くチューニングして、全ての弦のチューニングが安定したら、晴れて弦交換は作業完了です!
新品の弦の、ゴキゲンな音色を、思う存分に楽しみましょう!
次回は・・、
さて、
5回に分けて説明してきた弦交換の記述、いかがでしたでしょうか?
ありきたりの内容にはしたくなかったので、少しマニアックな内容になってしまったかもしれません。
その中で何か、あなたに役立つエッセンスを提供できていると幸いです。
では次回は、ギターのテクニックの内容に戻り、ハンマリングについて書いていきます。
これもギターを演奏する上でベーシックなテクニックですね!
では、今回はこの辺で!
by Akimaru
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