【ギターソロを弾こう~スライド編】やり方と主な使われ方、滑らない・引っかかるを克服するコツ

前回は、プリング・オについて書きました。

今回は、“スライド”について書いていきたいと思います。

“スライド”はどんなテクニックか

スライドは、チョーキングハンマリング・オンプリング・オフと同じく、譜面上でいうスラーを演奏するテクニックです。

音を出しているフレットから、音を出したままで押弦している指を目的のフレットまでスライドさせ、滑らかに音程を変化させます。

スライド前(3弦5F)

矢印のように指先を滑らせ、スライドして音程を変える。

スライド後(3弦7F)
※左手の握り(グリップ)ごと移動したパターン
スライド後(3弦7F)
※握りの支点は(親指辺り)そのまま、押弦の指先のみスライドしたパターン

使い方の例としては、

  • スラーで滑らかに音を繋げるために使う
  • 音符の装飾として使う
  • アドリブ・ソロ等の中で、ネックを握っているポジションをスムーズに移動するために使う

・・この辺りが、代表的な使われ方ですね。

スライドの譜面表記

譜面上では、2つの音をスラーで繋ぎ、その上か下にSと表記されます。

例として、3弦5F(ド)3弦7F(レ)の2つの音の、上昇と下降の記譜を載せます。

スライド:音程上昇
スライド:音程下降

また、音符の装飾として使われる場合の記譜も載せておきます。

スライド:音符の装飾

ポジション移動でスライドを使う

少し難しい話になりますが、先に挙げたもう一つの使われ方もご紹介します。

スケール(音階)上でアドリブ・ソロを弾いている時など、スケールのブロック・ポジションをスムーズに移動するため、スライドを使うと効果的なケースです。

Cメジャースケールを用いて、
6弦8Fの「ド」から、2オクターブ上の2弦13F「ド」まで、スケールを上昇していくケースを例に挙げてみましょう。

赤い部分でスライドを使ってポジション移動

上図の例だと、4弦7Fは人差し指で押さえることになるかと思いますが、そのまま人差し指を4弦9Fへスライドさせ、ブロック・ポジションを移動しています。

もしくは、4弦10Fの小指を、4弦12Fへスライドさせても良さそうです。

スライドで滑らない・引っかかる、を克服するコツ

慣れないうちは、上手く指が滑らなかったり、そのまま無理やりスライドさせても音が消えそうになってしまったり・・。

そんな状態を克服するコツを、ポイントに分けてご紹介します。

毎回お話していますが、ポイント以前に、やはり左手のフォームは重要です。

そして、前回のプリングと同じく、スライドも指の腹寄りの部分でなく、しっかり指先を使って押弦することがとても大切です。

ポイント①: 力を入れる向き

まず、上手く滑らないときの原因として、指先の力の向きがあります。

通常の押弦をしている時は、指先の力は指板に垂直方向にかかっていると思います。

しかし、スライドで指先を滑らす時には、押弦している指先の力の向きを変え、進行方向に向けて少し斜めに押弦する感じになります。

ちなみに、あくまで“力の向き”であって、“指の向き”ではないので注意してください。
下の写真では、分かりやすいように、力の向きと指の向きを揃えていますが、必ずしもこれらの向きが同じになるとは限りません。

スライド前(3弦5F)
力の向きは指板と垂直方向
スライド中
力の向きは進行方向に傾いて斜めになる
スライド後
押弦の向きは再度、指板と垂直方向

悪い例としては、指の力の向きは指板に垂直のまま、腕の力を使って無理やり滑らそうとする形です。

これだと、硬い動きになってしまい、狙った位置に上手く移動できなかったり。
動きがもたついてスムーズさに欠けたりといった弊害があります。

ポイント②: 力の入れ加減

次に、スライドで指先を滑らす際の、指先の力の入れ加減です。

しっかりと押弦したままスライドしようとしても、滑らす際は押弦の力が強すぎると、上手く滑らずに引っかかったりしてしまいます。

スライドで指を滑らせる際は、若干ですが押弦する力を弱め、目的のフレットまで滑らせたところで、「クッ!」っと改めてしっかり押弦するイメージです。

これに関しては、身体の感覚で覚えてしまうのが早いので、上記の力の入れ加減を意識しながら、繰り返し練習してみてください。

練習の際に、これを意識するかしないかで、上達スピードに明らかな差が出てくると思います。

練習の際の注意点

スライドを重点的に繰り返し練習する場合や、スライドを多用したフレーズを集中的に練習する場合など、注意が必要な点があります。

それは、指先が切れてしまう事です。

特に、まだギター歴の浅い方は、指先が柔らかいままの状態かと思いますので、指先の状態を確認しながら練習してください。

また、複数の弦を押さえてのスライドなど、どうしても指の腹を使って押弦してスライドしないといけない時。
指の腹は切れやすく、血も出やすいので、特に注意してください。

少しでも指先を保護するための対処法として、フィンガーイーズ等を使って、弦の滑りを良くして練習するのが効果的です。

弦の滑りをよくする、フィンガーイーズ

あとは、指先が切れてしまってから、瞬間接着剤等でくっつけて気合いで練習を再開したり・・、なんてのも見聞きしますが。

僕も瞬間接着剤の使用経験者として、あまりオススメはしません・・。

次回は、、

さて、スライドの使い方やコツをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

次回は、ハンマリングとプリングを組み合わせた、“トリル”について書いていきます。

では、今回はこの辺で!

by Akimaru

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