では、前回にご紹介した以下の4種類のハーモニクスについて、
- ナチュラル・ハーモニクス
- 人工・ハーモニクス
- タッピング・ハーモニクス
- ピッキング・ハーモニクス
譜面における記譜のされ方を見ていきましょう。
ちなみに、TAB譜を使わずに五線譜のみで書かれる際には、ハーモニクス奏法で実際に鳴っている音が記譜されたりするので、注意が必要な場合があります。
ナチュラル・ハーモニクス
まずは、ナチュラル・ハーモニクスの記譜例です。
ナチュラル・ハーモニクスの場合、五線譜だとオタマジャクシの譜頭が「◇(ひし形)」に変わります。
TAB譜だと、フレットを示す数字を「◇」で囲みます。
注意点として、五線譜だと譜頭の形が変わるだけなのですが、TAB譜の場合は4分音符と2分音符の区別が、少しややこしくなりがちです。
上記の譜例のように、2分音符の場合は「◇」のさらに上から「〇」で囲んで記譜されると覚えておきましょう。
また、冒頭に書いたように、ナチュラル・ハーモニクスの五線譜の音程は、ハーモニクス奏法によって実際に出音している音程が示される場合がほとんどです。
五線譜だけのギター譜だと少し注意ですね。
ちなみに、上記の譜例。
ちょっとした小ネタに使えるフレーズなので、ぜひ弾いてみてください。
(※懐かしい響きが聴こえてきますよ!)
人工・ハーモニクス/タッピング・ハーモニクス
次に、人工・ハーモニクスのハーモニクスと、タッピング・ハーモニクスの記譜のされ方です。
人工・ハーモニクスは、五線譜に関してはナチュラル・ハーモニクスと同じように、譜頭が「◇」に変わるだけの場合が多いです。
その下のTAB譜をみてみると、左手で押弦するフレットの数字の横に、()で数字が書かれています。
この数字のフレット上で人工・ハーモニクス奏法をし、ハーモニクス音を出します。
押弦する数字の12F上や7F上など、ハーモニクスポイントが書かれています。
ちなみに、
カッコのない実音部分の数字をナチュラル・ハーモニクスと同じように「◇」で囲み、その横にカッコでハーモニクスポイントを記す場合もあります。
タッピング・ハーモニクスは、人工・ハーモニクスの記譜のされ方に加えて、「↓」が加わるパターンがほとんどです。
譜面によっては「↓」ではなく、「Tap Harm-」などのカッコで指定している場合もあります。
なお、人工・ハーモニクスもタッピング・ハーモニクスも、五線譜には実際に出音している音程で記譜されます。
これは、ナチュラル・ハーモニクスと同じですね。
人工・ハーモニクスの応用
上記の譜例について、3~4小節目の奏法を少し解説します。
これは、人工・ハーモニクスを応用した、アルペジオのフレーズです。
(※エリック=ジョンソン氏などが得意としています)
まず左手は、
5弦5Fから2弦5Fまでを人差し指でセーハして押さえ、1弦7Fを薬指で押さえておきます。
そして右手は、中指と親指でピックを持ちます。
ピッキングのやり方は、
人工ハーモニクスの音符は、人差し指でハーモニクスポイントに触れ、ピックでピッキングしてハーモニクスを出します。
ハーモニクスではない実音を出す音符は、右手の薬指を使って指弾きでピッキングします。
ピッキング・ハーモニクス
最後に、ピッキング・ハーモニクスの記譜です。
ピッキング・ハーモニクスは、五線譜とTAB譜ともに、音符の上もしくは下に小さい「〇」をつけて記されます。
譜面によっては、小さい「〇」の代わりに、「P.H」と書いて表記される場合もあります。
ピッキング・ハーモニクスの場合、五線譜に記されるのはハーモニクスで出音される音程ではなく、左手で押さえている音の実音が記される場合が多いです。
次回は、、
さて、
3回に分けて、ハーモニクス奏法に関する記事を書いてきました。
次回からは、少しギターの奏法を離れ、
エレキギターの機材に関する内容を書いていきたいと思います。
では、今回はこの辺で!
by Akimaru
コメントを残す