LFAを凌ぐ高剛性・86を超える低重心
続いて、エンジンスペック以外にもスペシャルな、新型スープラの特徴を紹介していきます。
“FUN TO DRIVE”を追及、辿り着いた抜群の高剛性
新型スープラは旋回性能を高めるため、ショートホイールベース&ワイドドレッドという形をとっています。
しかしながら、この形は直進安定性という面で不利となってしまいます。
そこで、新型スープラは幾度となく走行テストを重ね。
旋回性能・直進安定性、そして何よりも”FUN TO DRIVE”、そのために足回りをはじめとしてボディ剛性も徹底的に見直し、追及されました。
その結果として、
ボディの65%がCFRP製(ねじり剛性が一般的なスチール製ボディの10倍、重量は1/4)であるレクサスLFAをも凌ぐほどまで、ボディ剛性は鍛え上げられました。
水平対向エンジン搭載車を超える低重心
スポーツカー低迷期を打開して発売されたFRスポーツカー、トヨタ86・スバルBRZ。
このトヨタ86はスバル製の水平対向4気筒エンジンを搭載しています。
水平対応エンジンはシリンダーが横倒しになった形をしており、エンジン自体の高さが低いのが特徴です。
この特徴を持つゆえの利点として、
車の中で最も重いパーツであるエンジンの搭載位置を低く設定することが可能なため、車の重心を下げられることが挙げられます。
しかしながら、新型スープラは直6エンジンを搭載しながらも、このトヨタ86を超える低重心を実現しています。
車の重心高はその挙動を大きく左右するため、新型スープラでは重心高に関しても非常に煮詰めて設計されていることがうかがえます。
その時代のフラッグシップであった歴代スープラ
歴代のスープラといえば、その時代のトヨタのフラッグシップ・モデルとしての役割を担っていました。
そんな歴代モデルを、順にご紹介していきたいと思います。
TOYOTA/2000GT
スープラという名を掲げてはいませんが、トヨタの歴史に残る名車が2000GTです。
写真を見て分かるとおり、ロングノーズ・ショートデッキのシルエットが際立ちます。
直列6気筒2000ccエンジンを搭載し、最高出力は150ps/18.0kgf・mとなっています。
初代A40・50型スープラ(セリカXX)
当時、セリカの上位モデルとして発売されたのが、セリカXXでした。
海外ではセリカの名ではなく“Supra”という名を与えられ、ここで初めてスープラという車が登場することとなります。
前記モデルであるA40型は、2000ccもしくは2600ccの直列6気筒エンジンが用意されていました。
後期モデルとなるA50型では、直列6気筒2800ccエンジンも登場しました。
2代目となるA60型スープラ(セリカXX)
さらにスポーティーな路線で開発されたのが、この2代目A60型スープラです。
日本名のセリカXXはこの代で最後となります。
エンジンは直列6気筒、2000ccと2800ccがラインナップされていました。
3代目のA70型スープラ、日本でも”Supra”の名に
3代目からは、日本でもセリカとは枝分かれし、“Supra”の名を名乗ることとなります。
発売当初のキャッチコピーは「TOYOTA/3000GT」、フラッグシップ・スポーツカーとして登場しました。
実物を見ると、そのシルエットは幅がスリムな割に前後に長く、とてもシュッとしていてスマートな佇まいです。
しかし、そのロングノーズから感じる威圧感は、やはりフラッグシップ・モデルとしての威厳を感じます。
エンジンのラインナップは、すべて直列6気筒。
2000ccNA,2000ccターボ,3000ccターボで、後に最高出力280psを誇る2500ccターボエンジン(1JZ型)も登場しました。
今や中古相場で値段高騰、4代目のA80型スープラ
新型スープラの先代となるA80型スープラ。
流線形のデザインと大型リヤスポイラーが採用され、車幅もワイドでグラマラスなモデルとなりました。
国内では、新型スープラもネット上などでデザインを酷評されるのを目にしますが、現在人気となっているこのA80スープラも、発売当初はデザインの評判は良くなかったようです。
映画『ワイルドスピード』の1作目で花形ともいえる車として登場し、その影響から海外ではかなり高い人気を獲得しています。
エンジンは直列6気筒3000cc(2JZ型)で、NAモデルとターボモデルの2種類がラインナップされていました。
非常に耐久性の高いエンジンで、直列6気筒の名作エンジンと言われています。
ボディ剛性も高く、旋回時の中心軸はハンドブレーキの付け根辺りにくるよう設計されており、見た目とは裏腹に素直なハンドリングも魅力なモデルです。
新たなフラッグシップ・スポーツカーにふさわしいか
歴代、フラッグシップ・モデルとして、伝統の縦置直6エンジンFR駆動を継承しているスープラ。
新型となるA90型も、新たなフラッグシップ・モデルとして受け入れられ、その威厳を守れるのか?
ユーザーの元へ車両が届き始めるのは、秋ごろからになると噂されています。
実際にハンドルを握り、その走りを堪能できるのは、もう少し先になるようですね。
自分の足でアクセルを踏む、その日を楽しみに、復活した名車に期待を膨らませてしまいますね。
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